
日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告(65)が中東レバノンに逃亡した事件で、東京地検は29日、弁護人だった弘中惇一郎弁護士の事務所(東京都千代田区)を家宅捜索した。弘中弁護士はゴーン被告逃亡後の今月16日に辞任。地検は出入国管理法違反容疑で逃亡の経緯解明を進めている。
地検の捜査などによると、ゴーン被告は昨年12月29日、都内の保釈中の住居を出て関西空港から無断出国した。地検は警視庁に協力を要請し、住居周辺の防犯カメラ映像などを解析。ゴーン被告は米国籍とみられる男2人と共にプライベートジェットで出国し、トルコ・イスタンブール経由でレバノン入りしたことが判明した。
地検は今月8日、保釈中のゴーン被告が使用していたパソコンを差し押さえるため、地裁の令状を取って弘中弁護士の事務所を訪れたが、被告弁護団は医師や弁護士に認められた押収拒絶権を行使。地検の係官を事務所に立ち入らせていなかった。
JIJI Press