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ドローンで防災先進県目指す=台風被害機に全消防本部で運用―福島・東日本大震災12年

一方、ドローン関連企業の県内進出も進む。国は14年、浜通りの産業振興のためプロジェクトを策定。(AFP)
一方、ドローン関連企業の県内進出も進む。国は14年、浜通りの産業振興のためプロジェクトを策定。(AFP)
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01 Mar 2023 04:03:27 GMT9
01 Mar 2023 04:03:27 GMT9

東日本大震災と福島第1原発事故で甚大な被害が出た福島県では、小型無人機(ドローン)を積極的に災害現場に活用している。既に全消防本部で運用体制を構築し、台風や地震の被災地に投入。ドローン高度化に向け、国内最大のテスト飛行区域も設けて企業誘致も進めるなど「防災先進県」を目指している。

県消防保安課などによると、県内に12ある消防本部では、2020年10月までにドローンを保有するか民間企業と協定を結ぶ形で運用体制を整えた。

きっかけとなったのは県内で関連死を含め40人が亡くなった19年の台風19号被害。管内の住宅街などが広範囲に浸水した郡山地方広域消防組合は、浸水地域の観測や被害者捜索のため、約4カ月前に導入したばかりのドローンを使った。同消防本部の吉田武司さん(38)は「救助隊は人員や資材が限られており、どう配分すればいいか事前に計画することができた」と振り返る。

ドローンはその後も昨年3月の福島県沖地震や、同8月の大雨被害で被災地域の調査などに活用された。ただ、限界もある。山岳地帯での救助や捜索活動に活用する南会津地方広域市町村圏組合消防本部の警防課担当者は「機体の安定性や搭載重量が十分でなく、現場のノウハウもまだ不足している。好天時に目視可能な範囲で運用するにとどまっており、夜間には使えないのが現状だ」と話す。

一方、ドローン関連企業の県内進出も進む。国は14年、浜通りの産業振興のためプロジェクトを策定。柱の一つがドローンやロボットの開発拠点づくりで、南相馬市や浪江町には専用滑走路もある国内最大のテスト飛行場が開設された。プロジェクトを推進する公益財団法人によると、浜通りだけで約40のドローン・航空機関連企業や研究機関が新たに進出し、テスト飛行場では23年1月までに計90件の実証実験が行われた。

飛行場を使う東日本計算センター(いわき市)は、性能の異なる複数のドローンを一括して制御し、運用効率を向上させるシステムを開発中だ。中野修三研究開発センター長は「このシステムを使えば災害発生時、現地で農業用や気象観測用のドローンを集め、より効率的に被害の全容を明らかにできる。必要な物資を短時間で輸送することも可能だ」と期待を示した。

時事通信

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