
東京都目黒区の自宅で合成麻薬を所持したとして、麻薬取締法違反罪に問われた女優の沢尻エリカ被告(33)の初公判が31日、東京地裁(滝岡俊文裁判官)であり、沢尻被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。検察側は懲役1年6月を求刑、弁護側は執行猶予付き判決を求め、即日結審した。判決は2月6日。
検察側は論告などで、被告は19歳の時から合成麻薬や大麻、コカインを使用していたと指摘。合成麻薬は知人の男女から入手したとし、「発覚しなければ大丈夫と考えた。常習性は顕著」と批判した。弁護側は「通院のたびに薬物検査し、再発を厳しく監視していく」と情状酌量を求めた。
沢尻被告は被告人質問で、保釈後に入院し軽度の大麻依存症と診断されたと明かした。「罪悪感はあったが、悪い交友関係を断つことができなかった。今後は違法薬物と決別して生きていく。女優への復帰は考えていない」と述べた。
起訴状によると、沢尻被告は11月16日、自宅でカプセルに入ったMDMAの粉末約0.198グラム、LSDを含んだ紙片と液体約0.601グラムを所持したとされる。
沢尻被告は、映画「パッチギ!」で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞するなど活躍の一方、舞台あいさつの質問に「別に」と応じ、物議を醸したこともあった。今年の大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」に出演予定だったが、NHKは代役を立てて撮影をやり直し、放送開始が遅れる事態となった。
時事通信社