• 米国や韓国との対立が高まると、北朝鮮はしばしば激しいレトリックを放つ。
• 金与正氏「我々は自らの判断に従っていつでも、適切、迅速、かつ圧倒的な行動を取れるよう常に待機している」

ソウル：北朝鮮の指導者の影響力のある妹は、米国が核兵器搭載可能なB-52爆撃機を飛行させて北朝鮮に対する軍事力強化を表明した翌日の7日に、米国と韓国に対して「迅速かつ圧倒的な行動」を取る用意があると警告した。

朝鮮半島上空をB-52爆撃機が飛行した6日の米韓合同訓練は、ここ数ヶ月の同盟国間の一連の訓練の最新のものだ。両軍はまた、今月末に最大規模の野外演習を再開する準備を進めている。

金与正氏は談話の中で行動計画について詳しく述べなかったが、北朝鮮は米韓の軍事演習を侵略の予行演習とみなし、しばしばミサイルの発射実験を行っている。

国営メディアが伝えた談話の中で金与正氏は、「我々は、米軍と韓国の傀儡軍による落ち着きのない軍事動向を注視し、自らの判断に従っていつでも、適切、迅速、かつ圧倒的な行動を取れるよう常に待機している」と述べた。

「米国と韓国による、見過ごし得ない極めて狂信的な示威的軍事動向とあらゆる種類のレトリックは、間違いなく（北朝鮮に）それらに対処すべく行動せざるを得ない状況を作り出している」と同氏は述べた。

韓国国防省は6日の訓練の後に、B-52の配備は北朝鮮の侵略を抑止する同盟国の決定的な能力を示した、と述べた。

今年初め、米国は同国の長距離爆撃機B-1Bを1機もしくは複数機、数回にわたって朝鮮半島に配備した。

ワシントンで先月、米韓両国は北朝鮮の核の脅威への対応向上を目的としたシミュレーションを実施した。

先週の3月3日、韓国軍と米軍は、3月13日から23日までコンピューターシミュレーションによる指揮官訓練を実施し、2018年を最後に中断していた、最大規模の春季実戦演習を再開すると発表した。

同盟両国は、現在休眠状態にある北朝鮮との外交を支援し、新型コロナウイルス感染症のパンデミックに対応するため、2018年以降、定期訓練の一部を中止したり、規模を縮小したりしていた。

しかし、北朝鮮が昨年、記録的な数のミサイル発射実験を行い、対立国との潜在的紛争において核兵器を使用すると述べて公然と威嚇したのを受け、演習を再開している。

北朝鮮外務省は7日の別の談話の中で、アメリカのB-52爆撃機の飛行を、半島情勢を「底なしの泥沼」に陥れる無謀な挑発行為と呼んだ。名前の明らかにされていない同省の外信部長によるこの談話は、米韓の軍事的挑発が続けば「暴力的な物理的衝突が起こらないという保証はない」と述べた。

米国や韓国との対立が高まると、北朝鮮はしばしば激しいレトリックを放つ。

観測筋によると、北朝鮮が取り得る手段として、核実験や米国本土を狙う新型の大陸間弾道ミサイルの発射などが考えられる。

金与正氏は先月、太平洋を北朝鮮の射撃場にすると脅した。7日の同氏の談話では、北朝鮮のICBMを迎撃しようとする米国の試みがあれば、宣戦布告とみなすと述べた。

同氏は、北朝鮮のICBMが太平洋に向けて試験発射されれば、米軍は撃墜する予定であるとの、韓国メディアによる報道を引用した。

これまで知られている北朝鮮のICBM発射実験はすべて、近隣諸国を避けるために急角度で発射され、朝鮮半島と日本の間の海域に着弾している。

韓国は6日、日本との険悪な歴史問題を緩和する措置を取ったが、これは韓国、日本、米国の3カ国の安全保障協力を促進する努力だとみなされている。

その措置とは、日本による植民地支配下で強制労働に従事した韓国人に対する補償を、地元資金を用いて行うというものだが、賠償に日本企業の協力を求めていない。

ラーム・エマニュエル駐日米国大使は6日、韓国と日本の指導者を賞賛し、両国は「未来に向けた協力の可能性はより重要で、より大きな価値があり、歴史問題に対処しなければならないこと」を理解するようになったと述べた。

AP