
北京時事:北京を訪問中の林芳正外相は2日午前(日本時間同)、秦剛国務委員兼外相と会談した。林氏は中国が東・南シナ海への海洋進出を強めていることに懸念を伝達。
中国当局に拘束されている日本人の早期解放も求める方針だ。外相の訪中は約3年3カ月ぶりで、林氏は「建設的かつ安定的な関係」を構築するため、日中間の意思疎通を強化したい考えだ。
会談の冒頭、秦氏は「両国関係が妨害を取り除き、困難を乗り越えるよう推し進めていきたい」と発言。林氏は「日中関係は、数多くの課題や深刻な懸案に直面し非常に重要な局面にある。率直なやりとりを行いたい」と呼び掛けた。
林氏は、ロシアによるウクライナ侵攻に関し、中国に対し「責任ある大国」の役割を促す。北朝鮮への対応や気候変動問題での協力、経済交流についても意見を交わすとみられる。
林氏の訪中は、昨年11月に岸田文雄首相と習近平国家主席が会談した際、調整を進めることで一致。中国の習政権は3期目が本格始動したばかりで、日本側は外相会談を通じて、関係の安定化を目指す。
林氏は同日午後、前外相で中国外交トップの王毅共産党政治局員と会談。3月に就任した李強首相とも面会する。
時事通信