
ソウル:韓国軍によると3日、韓米日の海軍は、ミサイルの脅威を増大させている北朝鮮を牽制し、3カ国の協力関係を強化するために、半年ぶりに対潜水艦の訓練を開始した。
2日間の訓練は、北朝鮮が最近、戦術核弾頭の一種を公開したことで、同国が2017年以来の核実験を実施するのではないかという懸念が高まった中、行われた。
韓国国防部の声明によると、韓国南部済州島沖の公海上で行われた海上演習には、米国の原子力空母「ニミッツ」、米韓海軍の駆逐艦、日本の海上自衛隊の護衛艦が参加した。
声明によると、今回の訓練の目的は、潜水艦発射弾道ミサイなど北朝鮮の高度化する水中の脅威に対する、韓米日の対応能力を向上させることだという。3カ国は、敵の潜水艦などに見立てた韓国と米国の無人潜水機を探知および追跡することになっている。
北朝鮮による潜水艦発射ミサイルは、事前に発射を突き止めるのがより難しくなっているため、米国および同盟国にとって重大な安全保障上の脅威となっている。近年、北朝鮮は高度な水中発射弾道ミサイルの実験を行っており、原子力潜水艦を含むより大型の潜水艦の建造を進めている。
先月、北朝鮮は、先の韓米2カ国の軍事演習に対抗して、相次いでミサイル実験を実施した。実験された兵器には、核搭載可能な水中ドローンや潜水艦発射型巡航ミサイルなどが含まれており、北朝鮮が水中兵器の種類を多様化させようとしていることを示唆している。
先週、北朝鮮の国営メディアが発表した写真には、シリアル番号が異なる、「ファサン(火山)-31」と呼ばれるカプセル型の先端が赤い弾頭が約 10発写っていた。近くの壁に貼られたポスターには、「ファサン-31」の弾頭を搭載できる短距離ミサイルが8種類リストアップされていた。これらのミサイルは過去の試験飛行により、在韓米軍の基地を含む韓国の主要な標的を攻撃する能力があると分かっている。
一部の識者によると、北朝鮮による2016年と2017年の最後の2回の核実験が他の弾頭を開示した後に行われたため、今回、「ファサン-31」の弾頭を明らかにしたのも、核実験の前触れの可能性があるという。もし北朝鮮が核実験を実施すれば、2017年9月以来、7回目の実験となる。
海外の専門家は、北朝鮮が実際に機能する核搭載ミサイルを有しているのか議論している。しかし、韓国のイ・ジョンソプ国防部長官によると、最近、北朝鮮が高度な短距離ミサイルに搭載される小型弾頭の製造技術をかなり進展させたようである。
北朝鮮は、日米韓の合同訓練を安全保障上の脅威とみなし、これに対抗して、新たなミサイル実験を実施するかもしれない。北朝鮮のトップ、金正恩委員長は、最近行われた韓米演習を、北朝鮮の「忍耐と警告」を無視した「無謀な軍事的挑発」と呼んだ。
韓国国防部の声明において、3カ国の合同訓練に参加した韓国軍のキム・インホ少将は、「北朝鮮のいかなる挑発にも断固として対応し、無力化する」と述べた。
3カ国は対潜水艦訓練に加え、水に落ちた人の救出や救急患者の治療など、人道的な捜索・救助活動の訓練も行うことになっている。
国防部の声明によると、このような訓練は3カ国にとって7年ぶりになるという。
AP