ビリニュス時事:岸田文雄首相は12日午前(日本時間同日午後)、リトアニアの首都ビリニュスで開催中の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に出席し、演説した。
ロシアの侵攻を受けるウクライナへの支援策として、ドローンなど無人機の動きを把握する「対無人航空機検知システム」の供与を表明した。
首相は、3月にウクライナを訪問してゼレンスキー大統領と会談した際、NATOの信託基金を通じた殺傷能力のない装備品支援に3千万ドル(約40億円)の拠出を伝えていた。今回の供与はこの枠組みを活用する。
演説で、首相は「ロシアのウクライナ侵略などにより国際社会は歴史的転換点に直面している」と指摘。議長国として臨んだ5月の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)で「力による一方的な現状変更は許されない」などの原則を確認したことに触れ、「日本は、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化に向け、同志国との連携をさらに強化していく」と訴えた。
さらに、欧州とインド太平洋地域の安全保障は「不可分だ」と主張。日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランドの「アジア太平洋パートナー国(AP4)」とNATOの連携強化に取り組む決意を示した。
首相はこの後、ゼレンスキー氏と個別に会談する予定。新たな支援内容を説明する方針だ。
時事通信