
【サクラメント(米カリフォルニア州)時事】米カリフォルニア州議会下院は20日、第2次世界大戦中に米国で強制収容された日系人に謝罪する決議を採択した。日系移民を排斥する法律を制定してきた過去を踏まえ、公民権を擁護しなかったことへの謝罪を公式に表明した。連邦政府は1988年に謝罪と補償を行っている。
決議は超党派の支持を集め、満場一致で採択された。主導した日系3世のアル・ムラツチ議員(55)は取材に対し、排外主義的なトランプ政権の移民政策との類似性を指摘。「歴史を繰り返さないために過ちから学ぶ必要がある」と語った。
議場には強制収容を経験した日系人やその家族も姿を見せた。ノーマン・ミネタ元運輸長官の長男デイビッドさん(56)は「強制収容は人種主義が政策になった最たる例だ。米国では決してあってはならない」と力を込めた。
米国では42年の大統領令9066号に基づき、日系人約12万人が収容所に送られた。多くは米国市民権を持っていたが、前年の旧日本軍による真珠湾攻撃への反感から「敵性外国人」として扱われた。今月19日に大統領令の発令から78年を迎えたばかりだった。
時事通信社