
エルサレム:イスラエルは、極右の国家安全保障相を含む主要政治家を標的にし、スパイ活動を行うためにイランで企てられたとされる計画に関与したとして、5人のパレスチナ人を逮捕した。同国内部治安機関が27日に伝えた。
イスラエル総保安庁シン・ベットは、隣国ヨルダンに住むイラン人治安当局者が、イスラエル占領下のヨルダン川西岸地区でパレスチナ人男性3人とイスラエル市民2人をスカウトし、イスラエルの主要政治家数人に関する情報を収集させたと主張している。
その標的には、ベンヤミン・ネタニヤフ首相の超国家主義政権でイスラエルの警察を監督する、イスラエル入植者の熱狂的指導者イタマル・ベングビール国家安全保障相や、米国生まれのイスラエル極右活動家で元国会議員のイェフダ・グリック氏が含まれていた。
この計画はイスラエル情報当局によって阻止された、とシン・ベットは発表したが、証拠を提示していない。
イランの国連代表部に、この主張についてのコメントを求めたが、すぐに回答は得られなかった。
人種差別主義者のラビから影響を受けたベングビール氏は、パレスチナ人に対する特に強硬な政策、反アラブ的な言動やパフォーマンス、そして聖地の中でも最も神聖で最も論争の多い場所への頻繁な公式訪問によって、中東全体で怒りを買っている。エルサレムにあるこの丘陵地帯の複合遺跡は、ユダヤ人にとっては神殿の丘、イスラム教徒にとっては高貴な聖域としてあがめられており、イスラエル・パレスチナ紛争の感情的な対立の中心地である。
グリック氏は、ユダヤ教の聖地であるエルサレムの複合遺跡へのユダヤ人の立ち入りと祈りの権利の拡大を求めるキャンペーンのリーダーである。これらの遺跡は、かつて古代聖書の寺院があった場所であり、今日ではイスラム教の第3聖地であるアル・アクサ・モスクが建っている。イスラエルがこの土地を占領して以来、ユダヤ人の訪問自体は許可されているが、礼拝は禁じられている。グリック氏は、2014年にパレスチナ人による暗殺未遂事件を生き延びた。
シン・ベットは、この計画を指揮したとされるヨルダン在住イラン人高官の身元について詳しくは語らなかった。
彼は身柄を拘束されておらず、逃亡中とみられる。
しかし、シン・ベットは、ヨルダン川西岸地区の3人のパレスチナ人男性――ムラド・カママジャ(47)、ハッサン・ムジャリマ(34)、ジアド・シャンティ(45)――を情報収集やイスラエルへの武器密輸の容疑で告発した。同保安庁はまた、この陰謀への関与でイスラエル在住の2人のパレスチナ市民を起訴したと述べた。シン・ベットは、男性たちがベングビールや他の政治家を標的にすることをどのように計画したのかを明らかにしていない。
ベングビール氏は、これらパレスチナ人容疑者が「イスラエルの大臣を暗殺する」ために共謀したと主張したが、それが自分自身のことなのか、他の大臣のことなのかは明らかにしなかった。彼は、イスラエルの治安部隊が、同氏が言う「テロリスト集団」を摘発し、逮捕したことを称賛した。
イスラエルの刑務所に収容されているパレスチナ人囚人に対する厳しい処遇を推進してきたベングビール氏は、今回の逮捕劇を受けて、強硬な政策をさらに強化することも誓った。彼は、「テロリストたちの収監条件に根本的な変化をもたらすため、私は恐れず、さらに力強く行動し続ける」と、X(旧ツイッター)に書き込んだ。
イスラエルは、1979年のイスラム革命でイランがシーア派の神権国家となって以来、同国を最大の敵と考えてきた。イランは、イスラエルがその国境で最も強力な軍事的脅威と考えているレバノンの過激派組織ヒズボラの主要な支援者であり、ガザ地区のパレスチナ人イスラム過激派組織も支援している。
AP