

パリ:16歳のイラン人少女がテヘランの地下鉄における暴行の後、昏睡状態に陥り、厳戒態勢のもと、病院で治療を受けていると、人権団体が3日に発表した。
クルド人の人権団体Hengawは、10代のアルミタ・ガラワンドさんが、テヘランの地下鉄における女性のモラル警察官らとの揉め事で重傷を負ったと発表した。
これをイラン当局は既に否定しており、少女は低血圧により「気を失った」のであり、治安部隊の関与はなかったとしている。
女性に対する厳しい服装規則に違反したとして逮捕されたマフサ・アミニ氏が拘留中に死亡してから1年余りが経過したが、イラン当局は社会的緊張の高まりを厳重に警戒し続けている。
アミニ氏の死は、イランの聖職者の指導者層を揺るがす数か月にわたる抗議運動を巻き起こしたが、活動家によると数千人が逮捕され、数百人が殺害されたという弾圧を受けて、この運動は次第に縮小していった。
Hengawは、ガラワンドさんは1日にテヘランの地下鉄駅Shohadaでいわゆるモラル警察の警官に逮捕され、重症を負ったと述べた。
Hengawによると、彼女はテヘランのFajr病院において厳戒態勢のもとで治療を受けていて、「現在のところ訪問は許されず、家族でさえ許可されていない」という。
テヘラン在住ではあるが、ガラワンドさんの出身地はクルド人が暮らすイラン西部にある都市ケルマーンシャーだと、Hengawは述べた。
日刊紙Sharghのジャーナリストであるマルヤム・ロトフィ氏は、事件後に病院を訪れようとしたが、 すぐに拘束された。同氏はその後、解放されたという。
この件はソーシャルメディア上で激しい議論の的となっており、事件の映像とされるものには、友人と共にいるベールを付けていない様子の10代の少女が、女性警察官らによって地下鉄に押し込まれる様子がうつっているとの声がある。
テヘラン地下鉄システムの最高責任者であるマソード・ドロスティ氏は、この学生と「乗客や地下鉄の管理職員」の間に「口論も暴力も」なかったとした。
「地下鉄職員との衝突に関するいくつかの噂は...事実ではなく、監視カメラの映像がこの主張が誤りであると示している」と、ドロスティ氏は国営通信社IRNAに語った。
イラン国外に拠点を置くニュースサイトIranWireは、ある情報提供者が、彼女は警官らに押されて「頭部の怪我」を負ったと述べたことを伝えた。
アミニ氏の死から1年が経ち、イラン当局はイスラム共和政国家である同国の、ヒジャブの強制を含む女性に対する厳しい服装規則に従わない女性たちへの取り締まりを改めて強化している。
ニューヨークを拠点とするイラン人権センター(CHRI)は、女性と少女たちは、「(イラン・)イスラム共和国がベール強制のための警察の巡回を再び活発化させた後、増加する暴力、恣意的逮捕、高まる差別に直面している」と述べた。
AFP