ベイルート:レバノンのバッサム・マウラウィ暫定内相は4日、同国は「シリア人の非正規滞在を許さない」と述べた。
彼は、「レバノン国内の様々な犯罪および重大犯罪の30%を超える大きな割合にシリア人が関与している」とし、「我々の環境と国のアイデンティティを守るための協力が必要だ」と主張した。
彼の発言は、国境を越え流入するシリア難民の増加に対するレバノンの懸念の高まりを背景にしている。
「レバノンはシリア人に対し、これまでと同じような寛容さを持ち続けることはできない」とマウラウィ内相は語った。「我々は各アパートメントに住むシリア人の数を制限しなければならず、1家族以上を住まわせることは許さない」
その目的は「シリア人の居住に関するルールを整備することではなく、制限することだ」と彼は付け加えた。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に正式に登録されたシリア難民の数は、3月末までに80万5326人にまで減少したが、当局は本当の数字はその倍であると考えている。
レバノン当局は2015年、国連機関に対し、新たな難民登録を停止するよう要請しており、現在国内にいるシリア人の総数は200万人を超えていると推定している。当局は、これほど多くの難民が存在することで、宗派間の人口バランスが崩れることを恐れている。
知事や市長との会談の中で、マウラウィ内相は当局に対し、適切な法的書類を所持していないシリア人とはいかなる契約も結ばないよう要請し、レバノン市民と同様にシリア人にもレバノンの法律を全面的に適用するよう求めた。
「我々は、金銭と引き換えに我々の国が搾取され、人口構成が変わることを受け入れない」
「レバノンは売り物ではない。我々は、シリア難民のせいで引き起こされた混乱と受け入れがたい行動の結果、レバノン、レバノンの国民、レバノンの人口構成に与えられた甚大な被害に立ち向かうため、絶え間なく働いている」
シリア人はベッカー県中西部で約4000のビジネスを営んでいると言われている。バール・エリアスの町だけでも、全2000のビジネスのうち約1700がシリア人によって経営されている。タアラバヤでは450、カブ・エリアスでは350である。
難民に対する管理強化の一環として、産業省は4日、工場経営者に対し、必要な法的書類や許可証を所持していないシリア人の雇用の禁止に関して、違反の場合は営業許可を失う可能性があると、新たに警告した。
北部と東部の国境沿いの違法なルートを経由してレバノンに入国するシリア人の増加に起因する危機は、この2週間でエスカレートしている。先週、ベッカー高原の難民キャンプを襲撃したレバノンの治安舞台が武器を押収したことで、懸念はさらに高まった。
レバノンの反難民感情は、中東・北アフリカにおけるEUの公式スポークスマンであるルイス・ミゲル・ブエノ氏が3日に発表した声明によってさらに煽られた。「シリア難民の帰還は現時点では不可能であり、彼らはレバノンで支援されなければならない。難民が尊厳をもって自発的にシリアに戻るための条件は整っていない」と同氏は語った。
ヒズボラ指導者ハッサン・ナスラッラー氏は以前、レバノンは「シリア難民が欧州に向かって航行するのを妨げない」政策を採用すべきだと示唆し、論争を巻き起こした。
「彼らをゴムボートだけでなく、船に乗船させてヨーロッパに向かわせるのだ。そうすれば、必然的に欧州諸国はレバノンに服従することになる」と彼は言った。
4日、レバノン軍団(LF)の議会ブロックは、レバノンにあるUNHCR事務所の閉鎖を求める議会請願に署名することを検討していると、ギヤス・ヤズベック議員は述べた。「なぜなら、委員会は現在、シリアによる新たなレバノン占領を促進しているからだ」
彼は、最近のシリア人の流入を「この状況をコントロールし、その影響を緩和するために力を結集しない」レバノン政府のせいだと非難した。また同氏は、自由愛国運動(FPM)がこの差し迫った脅威に対する実行可能な解決策を議論するための閣議を組織することを拒否していると批判した。
レバノンにおける多くのシリア難民の存在に対抗し、対処することを目的とした組織が数多く出現しているが、そのひとつが「避難シリア人送還全国キャンペーン」である。
そのリーダーの一人であるマロウン・アルカウリ氏は、UNHCRの地域事務所に書簡を送り、その中でUNHCRが「シリア難民を金銭的、道徳的に支援し、彼らの土地に帰らないように奨励し、レバノン社会に統合するよう促すことで、シリア難民をレバノンに定住させる」ために活動していると非難した。
騒乱が拡大するにつれ、レバノンの治安機関は、「TikTokなどの偽のソーシャルメディアアカウントを利用して、発覚を避けるためにシリア人をレバノン国境外に誘い出し、人身売買を行うギャング団による誘拐事件」を警告している。
これらのギャング団は、「違法なルートを通じて、あるいは海外で旅行ビザを取得することで、金銭的な報酬と引き換えにレバノンから欧州諸国への渡航を実現できると語り、誘い出されたシリア人を欺く」と、レバノン治安部隊総局は述べている。
「被害者はレバノンとの国境地帯に到着すると誘拐され、レバノン国境の外に移送され、シリア領内の国境付近の部屋に監禁される。そこで彼らは残忍な拷問を受ける。拷問行為は撮影され、写真や動画が誘拐被害者の家族に送られる。彼らは家族に圧力をかけ、解放と引き換えに身代金の支払いを急がせる」
この2日間、誘拐被害者の一人が拷問を受けている映像がソーシャルメディアで拡散された。映像の内容のため、報道機関は放送していない。