アラブニュース
アンカラ:レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、東地中海に探査船を派遣して実施している物議を醸す石油探査を、来年6月まで、さらに6カ月間延長することを許可した。
トルコの大統領はまた、自ら党首を務める公正発展党(AKP)とのその連立政党の与党が、野党より多数の票を得て勝った後、リビア派兵に対する議会承認も得た。
探査船のオルチ・レイスは今後も、ギリシャとキプロスが主権を主張する領海で、石油とガスを捜し続けることとなり、これはEUを激高させる動きとなるだろう。
EU首脳陣は先月、トルコの個人への限定的な制裁を課すことに同意していたが、もっと深刻な措置を科すことは、3月まで一時停止していた。その一方で、ギリシャはトルコに武器禁輸をEUに要求してきた。
リビアでは、2019年のトルコ政府とリビア国民合意政府が軍事協力の合意に至った後、トルコは1月に1年間の命令で軍を派遣した。トルコは最近、リビアとの合意に最初から関わっていた官僚、ケナン・イルマズ氏をリビア国民合意政府の新大使に任命した。
「トルコ政府はギリシャとエジプト、イスラエル、UAE、フランスのような地域の同盟国が急速に連携を深めていることを知っているので、トルコはリビアへの派兵を延長しました」と、アテネの地政学専門家、エヴァンジェロス・D・コッキノス氏は語った。
エルドアン大統領はトルコ国内の影響力を維持するために、国外で緊張を高めようとしている、と同氏はアラブニュースに語った。しかし、全面的な戦争は、エルドアン大統領に政治的コストが降り懸かり、ギリシャとトルコの軍事的衝突が生じそうなことになる。
「ギリシャはトルコの個人に対してだけでなく、トルコに対して武器禁輸と制裁を求めて、EUに圧力を掛け続けるでしょう。ギリシャ海軍の大船団は、ギリシャ国境水域を越えて配備されており、どんな犠牲を払ってでも、ギリシャの主権を守り抜くつもりです」と、同氏は語った。
ギリシャとUAE 、エジプトとの防衛協定は、この地域での軍事的激化を抑止するだろう、と同氏は語った。
中東報告分析センターのエグゼクティブディレクター、セス・J・フランツマン氏は、トルコ政府の派兵期間延長に関する最近の決定は予想できた、とアラブニュースに語った。
「トルコはリビアに長期間とどまるつもりです」と、同氏は語った。「トルコ政府の目的は、トルコの関与を正当化し、エジプトのように敵視している国々に圧力を掛けるために、リビア、シリア、ソマリア、カタール、その他の国々の中で、既成事実をつくることです」
トルコが注意を逸らすものや、他の国々に異議を唱えていると主張するために、大衆の胸を打つような新たな原因が必要となった時はいつでも、このような動きで、トルコ政府は地中海に対する影響力を確保し、ギリシャ、エジプト、イスラエルのような国々の脅威となって脅かし続けるチャンスを得てきた、とフランツマン氏は語った。