Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • 中東
  • レバノンでは約400万人が人道支援を必要としているが、半数以上が支援を受けられない状況にあると国連が発表

レバノンでは約400万人が人道支援を必要としているが、半数以上が支援を受けられない状況にあると国連が発表

2023年9月18日、ベイルートのダウンタウン地区の議会の外に集まり、国による学校制度の予算不足に対して抗議を行うレバノンの教師ら。(AFP)
2023年9月18日、ベイルートのダウンタウン地区の議会の外に集まり、国による学校制度の予算不足に対して抗議を行うレバノンの教師ら。(AFP)
Short Url:
06 Oct 2023 04:10:58 GMT9
06 Oct 2023 04:10:58 GMT9

国際連合:国連関係者は5日、世界最悪レベルの人道支援危機に直面しているレバノンは、およそ400万人が食料等の支援を必要としているが、予算不足が原因で半数以上の人々が支援を受けられない状況にあると述べた。

国連レバノン人道支援主任を務めるイムラン·ライザ氏は、国連は通常とは異なり「生存に最低限必要なレベルを遥かに下回る」支援しか提供できていないと述べた。

ライザ氏は、この4年間レバノンは「複合的な複数の危機」に直面していると述べた。世界銀行は19世紀半ば以来ワースト10のひとつに数えられるほどの金融·経済危機だと評している。これにより、あらゆるセクターで人道支援を必要とする人の数が劇的に増加しているとライザ氏は述べた。

2019年10月に始まった金融危機以来、レバノンの政治家ら――彼らは数十年に渡る腐敗と失策を批難されてきた――は国際社会から求められている経済·金融改革に抵抗してきた。

レバノンは2020年から国際通貨基金(IMF)と交渉を続け、昨年予備合意に至ったが、国の指導者層は必要な変革の導入に消極的な姿勢を見せてきた。

ライザ氏は、レバノンは約1年間大統領が不在であり、多くの機関が機能しておらず、シリアにおける政治的解決策もない状況だと指摘した。

国連の推定によると、レバノンではレバノン人210万人、シリア人150万人、パレスチナ難民18万人、シリアからのパレスチナ難民3万1,000人以上、その他移民8万1,500人の合計約390万人が人道支援を必要としている。

国連は昨年、シリア人およそ100万人、レバノン人95万人弱に支援を提供したとライザ氏は述べた。

「すべてがまずい方向へと進んでいます」とライザ氏は話す。2022年の国連の予算は必要分の40%程度で、今年もその流れは同様だが、「総合的なリソースは大きく減っており、需要は高まっている」という。

「レバノンのような状況は他と比べて注目度が低く、私たちはそのことを非常に強く憂慮しています」ライザ氏はそう述べた。

国連人道支援事務所によると、シリア紛争が始まって以来12年以上に渡ってレバノンは「人口1人あたり、および国土面積1平方キロメートルあたりの難民受け入れ数が世界で最も多い」という。

「そんななか、私たちはレバノンの緊張状態が高まっているのを目の当たりにしているのです」ライザ氏はそう語る。そしてレバノンではシリア難民に対する「非常に否定的なレトリック」やデマが数多く飛び交っており、「緊張が高まり、当然ながらシリア人難民の間に不安が広がっています」

レバノンの一部の政治家はシリア難民を「存亡に関わる脅威」と呼んでいるとライザ氏は言う。ライザ氏はジャーナリストに対し、レバノンの総合的なニーズに関する事実を広め、「地位や人口」ではなく、必要ベースで支援を提供するために取り組みを行っていることを伝えるよう呼びかけている。

AP

特に人気
オススメ

return to top