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国連事務総長、戦争ルール尊重を呼びかけ イスラエルにガザ攻撃停止を求めるには至らず

イスラエルとガザ地区の状況について演説する国連のアントニオ・グテーレス事務総長。(AFP)
イスラエルとガザ地区の状況について演説する国連のアントニオ・グテーレス事務総長。(AFP)
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14 Oct 2023 09:10:27 GMT9
14 Oct 2023 09:10:27 GMT9
  • アントニオ・グテーレス事務総長は、イスラエルが100万人以上のパレスチナ人に対しガザ地区北部から退避するよう指示したことは「極めて危険であり、単純に不可能だ」と述べた
  • 国連の専門家:「住民の強制移動は人道に対する罪に相当し、集団懲罰は国際人道法のもとで禁止されている」

ニューヨーク:国連のアントニオ・グテーレス事務総長は13日、100万人以上のパレスチナ人が、封鎖下にある過密な地区であり交戦地帯となっているガザ地区を横切って、食料、水、宿泊場所が不足している区域に移動することは「極めて危険であり、単純に不可能だ」と指摘した。また、イスラエルに同地区への攻撃をやめるよう求めるには至らなかったが、「戦争にもルールはある」と述べた。

イスラエルが13日に出した、120万人以上のパレスチナ人に対し24時間以内にガザ地区北部から南部へ移動するよう指示する最後通告に対しては、人道支援団体が、女性、子供、高齢者を含む民間人に対する集団懲罰であり国際法上違法であるとして撤回を求めている。

国連の専門家らも、この退避指示を非難した。国連の「国内避難民の人権に関する特別報告者」であるパウラ・ガビリア・ベタンクール氏は次のように指摘した。「住民の強制移動は人道に対する罪に相当し、集団懲罰は国際人道法のもとで禁止されている」

グテーレス事務総長は、食料、水、燃料が最も困窮した人々に届くよう、ガザ地区全域への緊急人道アクセスを許可するよう求めた。

同事務総長は、ガザ地区の状況について話し合うための国連安全保障理事会会合を前に、「戦争にもルールはある」と述べた。また、この紛争に関与している全当事者に対し、「民間人は保護されなければならず、盾として使用されることもあってはならない」という要件を含む国際人道・人権法の原則を尊重するよう求めた。

さらに、ハマスによって拘束されている人質全員の即時解放を求めたうえで、次のように述べた。「全当事者、および彼らに対し影響力を持っている人々が、これらの措置を実現するためにあらゆる手を尽くすことが不可欠である」

この安保理の非公開会合は、安保理の持ち回りの議長国を今月務めているブラジルと、UAEの呼びかけで開かれた。ブラジルのマウロ・ヴィエイラ外相が議長を務めたこの会合は、人道回廊設置の可能性を含め、ガザ地区「の状況に対処すること」を目的としたものだった。

世界保健機関(WHO)は、「病院は燃料や電気がなければ運営できない」として、そのような回廊の設置を求めている。

ガザ地区の発電所では燃料が枯渇している。国連人道問題調整事務所(OCHA)は、「65万人以上が深刻な飲料水不足の影響を受けている」と警告している。

イギリスのバーバラ・ウッドワード国連常駐代表は会合を前に、この紛争による「被害を受けた全ての人」に対し哀悼の意を表すとともに、「ハマスのテロ行為を明白に非難する」と述べた。また、ハマスは「パレスチナの人々を代弁していない」としたうえで、他の安保理理事国に対し、「人質の解放を実現するためにあらゆる手を尽くす」よう求めた。

さらに、イスラエルにガザ地区への攻撃を停止するよう求めるかという質問に対しては、次のように答えた。「国際人道法に沿った行動が取られる必要があるということを(イギリスは)きっぱりと明言している。我が国の首相は、(イスラエルのベンヤミン・)ネタニヤフ首相と現在の状況について話し合った際に、現在行われているフォローアップ措置において民間人の保護を検討するよう求めた」

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