
アンマン:ガザ地区にあるヨルダンの野戦病院は「存続が脅かされて」おり、医療品不足と、沿海部の飛び領土となっている同地区へのイスラエルによる激しい爆撃の影響でまもなく運営を停止する可能性が濃厚となっている。
この問題に詳しい政府関係者は、イスラエルの空爆で「病院の周辺地域は完全に破壊された」と述べた。
「この病院はイスラエルによる空爆の直撃を受けていないが、病院へ続く道路はすべて破壊された」匿名を条件に同政府関係者はそう述べた。
さらにこの政府関係者によると、「ガザ/76」と呼ばれるこの軍事野戦病院は、医療品と電力の深刻な不足に直面しているという。
またこの関係者によると、同病院はイスラエルによる空爆の生存者に対して手術および医療行為の提供を行ってきたという。
「しかし補給物資の不足と、この病院にパレスチナ人がアクセスできないことにより、まもなく運営を停止する可能性があります」同氏はそう話す。
ヨルダンは2008年に発生したハマスとイスラエルの戦争を受け、2009年にガザ地区に軍事野戦病院を設置した。
同施設はガザ北部アル・リマル地区にあり、イスラエルの航空機による激しい空爆を受けたと報告されている。
ヨルダンは先日、エジプトの北シナイ県にあるエル・アリーシュ地区に医療品と救命物資を送り、ラファ国境からガザへと物資の発送を行った。ラファ国境は現在封鎖されている。
ヨルダンのアブドッラー国王はこれまでに、ガザのパレスチナ人に救命支援を届けるための人道支援回廊の設置を訴えている。
国境なき医師団によると、イスラエルはガザ北部にあるアル・アウダ病院からの退去を命じたという。
同病院の院長は、「壊滅的な状況」にありながらも病院は運営を続けているため、イスラエルの退去命令を拒否したと伝えられている。