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ベイルートとレバノン南部の病院は、戦争への懸念が高まるなか、緊急計画を策定

2023年10月21日、イスラエル軍主催のメディアツアーで撮影された、イスラエル北部とレバノン南部を隔てる国境フェンス。(AFP)
2023年10月21日、イスラエル軍主催のメディアツアーで撮影された、イスラエル北部とレバノン南部を隔てる国境フェンス。(AFP)
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22 Oct 2023 05:10:33 GMT9
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  • アナリストたちは、境界地帯での一連のエスカレーションがイスラエルとレバノンのヒズボラの間で戦争に発展する可能性があると警告し、ベイルートと南部の病院に対し、予防的緊急計画を策定するよう促した。

ナジャ・フーサリ

ベイルート:ここ数日のヒズボラとイスラエル軍との衝突により、レバノンの国境地帯では民間人の財産に広範な損害をもたらしており、首都および南部地域の病院は、戦争を想定して緊急計画を最終調整している。

20日の夕方から21日にかけて行われたイスラエル軍の砲撃により、国境の町の多くの家屋や送電網が被害を受けた。

イスラエルのメディアによると、国境エリア「ブルーライン」近隣の多くのイスラエル人居住区では、避難後にサイレンが何度も鳴り響いたという。

イスラエルの対空防衛システム「アイアンドーム」がレバノンから発射された誘導ロケット弾を迎撃した後、ティレとビント・ジュベイルで爆発音が聞こえた。

イスラエルの激しい砲撃は、21の午後、主にシェバア農場周辺を標的として実施された。

ソーシャルメディアで共有された写真では、国境付近の村、ラブ・アル・タラティーンの村長の家が激しく破壊されている。また、ブルジュ・アル・ムルーク町の電力網に対する損害の程度も映像で明らかになった。

国連レバノン暫定軍(UNIFIL)のアンドレア・テネンティ報道官は、UNIFILは「レバノン南部の安定回復に代表される任務に全力を尽くしており、敵対行為の激化を防ぐために最大限の努力をしている」と述べた。

テネンティ氏によると、作戦部長兼部隊司令官であるアロルド・ラザロ空軍大将は、状況を把握し、平和維持要員の懸念事項を確認するため、作戦地域を視察しているという。

アナリストたちは、境界地帯での一連のエスカレーションがイスラエルとレバノンのヒズボラの間で戦争に発展する可能性があると警告し、ベイルートと南部の病院に対し、保健省の指示の下、予防的緊急計画を策定するよう促している。

ベイルートの病院関係者はアラブニュースに対し、「計画策定は完了し、負傷者を搬送する救急車のための特別ルートを開設した」と語った。

また、「負傷者の重症度に応じて、異なる色の負傷者受け入れゾーンを割り当てた。また、人的、物流、医療スタッフも確保している」と彼女は付け加えた。

人々はブルーラインに隣接する町から、より安全な地域に向かって避難している。

一方、国内のすべての教育機関は、追って通知があるまで閉鎖されたままである。

国境地帯のラス・アル・ナクーラから22キロ離れた南部の都市ティレでは、1500世帯以上のレバノン人とシリア人が、学校内に設置された宿泊施設に分散して避難しているとみられる。

何百ものレバノン人世帯が、シュフ、レバノン山、メトゥン、ベイルートの他の地域への移動を選択している。

2006年7月、イスラエルとヒズボラの間で戦争が勃発し、1200人以上のレバノン人が死亡、民間人を中心に4400人が負傷した。イスラエル側は兵士を中心に160人が死亡した。30日間にわたる紛争により、約100万人のレバノン人が町から避難、特にベイルートの「南部郊外」として知られるダヒエに前例のない規模の物的被害をもたらした。

進歩社会党の前党首、ワリード・ジュンブラット氏は、「レバノンは、戦争が拡大する可能性から逃れられないかもしれない」と懸念を表明した。

ジュンブラット氏は、進歩社会党の現党首である息子のテイモア・ジュンブラット氏と協力し、「イスラエルの攻撃時に標的となりうる地域からの避難民を受け入れるために、必要な後方支援を行っている」と述べた。

「レバノン山地のドゥルーズ派が支配している地域の村々は、シーア派、スンニ派、キリスト教徒を問わず、誰でも歓迎するだろう」

レバノン国民は、イスラエルとハマスの紛争にレバノンが巻き込まれるべきかどうかで意見が分かれている。勝利の可能性が低い戦争に巻き込まれることを断固として拒否する人もいれば、パレスチナの大義を支持し、自国が紛争に参戦することを主張する人もいる。

2019年以降、レバノンが直面している経済危機のため、避難民は生活費を稼ぐのにも苦労している。

ベイルート南部郊外に住むラバブさんは、戦争の勃発は「夫がタクシー運転手としての収入を失うことを意味する」と語った。

「親戚も助けを必要としているため、私たち家族を受け入れることはできない。私たちは、戦争が起こる可能性を心配している。今度戦争が起これば、前の戦争よりも過酷なものになるかもしれない」と彼女は付け加えた。

レバノンの観光協会の会長であるアリ・タバジャ氏は次のように語った。「多くの地域において、一部の人々がアパートやゲストハウスの価格を理由もなく上げている。南部境界地域のイスラエルの攻撃により安全な場所を探している人々の危機に乗じているのだ」

タバジャ氏は、ワリード・ナサール観光相とホテル協会に対し、「価格の引き上げや避難民の危機に乗じる行為を禁止するよう指示を出すこと」を求めた。

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