
ワシントンD.C.:米国は23日、イランが中東の米軍基地に対する攻撃を「積極的に助長している」と非難した。また、少数の軍事顧問をイスラエルに派遣したことを明らかにした。
米国は、イスラエルとハマスの間の戦争がエスカレートする可能性に対し懸念を高めているが、同盟国イスラエルには自衛権があるとして、停戦を呼びかけることは拒否している。
米国家安全保障会議のジョン・カービー戦略広報調整官はホワイトハウスで記者団に対し次のように述べた。「イランはハマスとヒズボラを支援し続けている。イランがこれらの出来事を注意深く監視し、場合によってはこれらの攻撃を積極的に助長したり、自分たちやイランの利益のためにこの紛争を利用したい者たちを扇動したりしていることは分かっている」
「地域において一定レベルの否認権を維持することがイランの目的であることは分かっているが、我々はそれを容認するつもりはない」
今回の暴力再燃までは、米国とイランの当局者間で密かな交渉が行われたことを受け、ジョー・バイデン大統領の政権は地域の親イラン民兵組織との間で比較的平穏な時期を迎えていた。
しかし、18日以降、ダーイシュとの戦闘のために編成された国際連合軍の一部である米軍が駐留しているイラクの軍事基地3ヶ所に対し、ロケット弾やドローンによる攻撃が少なくとも5回行われた。
イランのシーア派聖職者指導らはハマスだけでなく、レバノンのシーア派運動ヒズボラ、イラクのシーア派準軍事組織、イエメンの反体制派組織フーシ派なども支援している。
10月7日のハマスによる攻撃以降、米国はイスラエルに対し大規模な防衛援助を約束している。カービー調整官はまた、米国が「少数の」軍事顧問をイスラエルに派遣したことを明らかにした。
これらの顧問は「イスラエルが実施している、あるいは今後実施する可能性がある作戦と同種の作戦」の経験を有し、「いくつかの見地を提供するために派遣された」という。
イスラエル当局によると、1948年のイスラエル建国以来最悪のものとなったハマスの攻撃による死者は1400人以上に上り、その大半が民間人である。
一方、ガザ地区のハマス傘下の保健省によると、イスラエルの報復空爆により5000人以上が死亡しており、やはりその大半が民間人だ。
EUのジョセップ・ボレル外務・安全保障政策上級代表は23日、ガザ地区の悲惨な状況を受け、支援物資を搬入するためにEU諸国の指導者らが共同で「人道的な戦闘停止」を呼びかけることを期待すると述べた。
米国は作戦停止を呼びかけることを拒否した。
米国務省のマシュー・ミラー報道官は記者団に対し次のように述べた。「(停戦すれば)ハマスに休息を与え、装備を整えてイスラエルに対するテロ攻撃を続ける準備をさせることになる」
「イスラエルにとって容認できない状況であることは完全に明確に理解できるはずだ。残忍なテロ攻撃に遭い、境界においてテロの脅威を目の当たりにし続けている国にとって容認できない状況である」
同報道官はまた、米国はガザ地区への人道救援物資の搬入を可能にするべく別途努力しており、デイヴィッド・サッターフィールド特使が現地で「集中的に」援助に取り組んでいると述べた。
AFP