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米軍がシリアのイラン軍拠点2カ所を攻撃-米国防総省

米軍の攻撃は、微妙なバランスを保とうとするバイデン政権の決意を反映している。(AFP)
米軍の攻撃は、微妙なバランスを保とうとするバイデン政権の決意を反映している。(AFP)
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27 Oct 2023 01:10:50 GMT9
27 Oct 2023 01:10:50 GMT9
  • 米国防総省によると、10月17日以降、イラクで少なくとも12件、シリアで4件の米軍基地や要員に対する攻撃があった。

米国防総省によると、米軍は27日未明、シリア東部のイラン・イスラム革命防衛隊(IRGC)に関連する2カ所への空爆を開始した。これは、先週初めから始まった、同地域の米軍基地や人員に対するドローンやミサイルによる攻撃への報復となる。

米軍の攻撃は、微妙なバランスを保とうとするバイデン政権の決意を反映している。米国は、イスラエルの対ハマス戦争が引き起こす、地域の紛争拡大および将来の侵略の可能性を抑止することに注力している。そのため、米国を標的にしていると疑われるイラン支援組織を徹底的に攻撃する構えだ

具体的な標的およびその他詳細についての情報はまだ提供されていない。

国防総省によると、10月17日以降、イラクで少なくとも12件、シリアで4件の、米軍基地と要員に対する攻撃があった。空軍のパット・ライダー准将によれば、イラクのアル・アサド空軍基地とシリアのアルタンフ駐屯地を狙ったドローン攻撃のうち2件で、21人の米軍兵士が負傷したという。

ロイド・オースティン国防長官は声明の中で、「精密な自衛攻撃は、10月17日に始まった、イランに支援された民兵組織によるイラクとシリアの米軍兵士に対する一連の攻撃への対応である。米軍への攻撃は続いているが、ほとんどが失敗に終わっている」と述べた。

ジョー・バイデン大統領は、「米国はこのような攻撃を容認せず、自国とその要員、利益を守ることを明確にするため」に、限定的な範囲での攻撃を指示したと述べた。そして、この作戦はイスラエルによる、ハマスに対する戦争とは別個のものだと付け加えた。

オースティン氏は、米国はより広範な紛争を求めてはいないが、イランの代理勢力による攻撃が続けば、米国は自軍を守るために追加行動を取ることを躊躇しないと述べた。

国防総省によると、武装勢力の攻撃で負傷した米軍兵士は全員軽傷で、全員が任務に復帰した。また、ドローンに攻撃から避難しようとしていた契約労働者1人が心停止し、死亡した。

この報復攻撃は予測されていた。国防総省とホワイトハウスの当局者は先週から、米国が対応することを明言しており、ライダーは25日にも「我々が選んだ時と場所で」それを行うと述べた。

「我々は自軍を守る固有の権利を保持し、国外に存在する自軍および利益を守るために必要なあらゆる手段を講じるということを、はっきりと明言できたと考える」と、ライダー氏は国防総省のブリーフィングで記者団に語った。

ガザのアル・アハリ病院で起きた致命的な爆発の後に起きたイランに系武装勢力による最新の攻撃は、多くのイスラム諸国で起きた抗議の引き金となった。イスラエル軍は、約3週間前に起きた、ハマスによるイスラエル南部の襲撃への報復としてガザを執拗に攻撃しているが、イスラエルは同病院爆破の責任を否定している。

国防総省を含め、米国は、米軍によるいかなる攻撃対応も、イスラエルとハマスの戦争とは関係なく、軍隊への攻撃に直接結びつくものだと、繰り返し述べてきた。米軍基地がこうした攻撃を受けた場合、シリア国内のイランの拠点に対して報復攻撃を行うことは日常茶飯事だ。

例えば3月、シリア北東部でイランに関連した攻撃があり、米国人契約労働者が死亡、他の7人の米国人が負傷した。その後米国はイランの革命防衛隊に関連した組織がシリアで使用している拠点を攻撃した。カタールのアル・ウデイド空軍基地から飛び立った米軍のF15戦闘機は、デイル・エゾール周辺の数カ所を爆撃した。

米政府高官は日頃から、米国の対応は「均衡性を保つ」ように設計されており、ダーイシュとの戦いに集中している米軍兵士への攻撃を抑止することを目的としていると強調している。

米政府高官は、シリアやイラクで起きた最近の一連の攻撃とガザでの暴力とを公には結びつけていないが、イラン政府高官は、米国がイスラエルに武器を提供し、それがガザ攻撃に使われ、民間人の死者を出しているとして、公然と批判している。

一方、米国防総省は米軍を守るため、この地域の防空を強化している。米国は、パトリオット・ミサイル・システム、THAAD(終末高高度防衛ミサイル)、戦闘機を追加で派遣すると発表した。

THAADはテキサス州のフォート・ブリスから、パトリオット・ミサイル・システムはノースカロライナ州のフォート・リバティとオクラホマ州のフォート・シルから送られる。フォート・リバティからはアベンジャー防空システムも送られる。

公式発表によると、パトリオットに関して2個大隊が配備されつつある。大隊には少なくとも3つのパトリオット砲台が含まれ、それぞれ6〜8基の発射装置を備えている。

ライダー准将は26日、防空システム関連部隊を含め、約900人の部隊が中東地域に配備されたか、またはその過程にあると述べた。

AP

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