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イスラエルとヒズボラによる応酬が続く中、ドローン攻撃で緊張高まる

2023年10月28日、国境での小競り合いが激化する中、イスラエル北部からレバノン南部の国境の村アイタ・アル・シャアブ上空に向けて発砲された照明弾。(AFP=時事)
2023年10月28日、国境での小競り合いが激化する中、イスラエル北部からレバノン南部の国境の村アイタ・アル・シャアブ上空に向けて発砲された照明弾。(AFP=時事)
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29 Oct 2023 06:10:36 GMT9
29 Oct 2023 06:10:36 GMT9
  • レバノン南部では、イスラエル軍がナクーラのラブネ郊外に20発以上の焼夷弾を撃ち込んだ

ナジャ・フーサリ

ベイルート:イスラエルのドローンは28日、国境線から約20キロ離れたレバノンのイクリム・アル・トゥファ地域のジャベル・サフィにミサイル3発を発射した。

ガザ紛争を背景にレバノン南部のヒズボラとの緊張が高まるなか、レバノンでのイスラエル軍による領空侵犯は過去21日間で2度目となった。

砲弾はナクーラにある国連レバノン暫定駐留軍(UNIFIL)本部の境界フェンスにも命中し、軽微な損害がでた。

ヒズボラが発射した地対空ミサイルは、アイアンドーム・ミサイルに迎撃され、破壊された。

活動家らは、ティールの東に落ちたパトリオットミサイルの残骸の映像をSNSに投稿している。

先週は、イスラエルのドローンがリタニ川の北、ジャベル・アル・リハンのビルケット・ジャブール地区を標的にした。

今回の攻防は、イスラエル軍が「レバノン領内のヒズボラのインフラを標的にしている」と発表した後に起きたものである。

イスラエルの偵察機は南部国境地帯上空を中高度で飛行した。

イスラエル軍の報道官アヴィチャイ・アドレー氏によれば、イスラエルのドローンは、イスラエル北部のハニータに向けて対戦車ミサイルを発射しようとしていたヒズボラの部隊を標的にしたものだという。

レバノン南部では、イスラエル軍がナクーラのラブネ郊外に20発以上の焼夷弾を撃ち込んだ。

イスラエル軍のリン弾により、アルマ・アル・シャアビ近郊でも火災が発生した。現場に向かった消防士たちは、イスラエル軍の砲撃により撤退を余儀なくされた。

レバノンの医師会は、国際的に禁止されているリン弾を使用しないようイスラエルに警告し、違法な使用を記録に残すため、とくに負傷した場合に皮膚からサンプルを採取するよう当局に求めた。

医師会はまた、「戦闘員と市民は、窒息死を避けるため、濡れた布を口と鼻に当てるように」と勧告している。

米国は、「予断を許さない治安状況のため」レバノンにいる自国民に対し、民間便が就航している間に退避するようあらためて呼びかけた。

米大使館はXで、「危機的状況下において、米政府が米国民とその家族を救出する保証はない」と述べた。

レバノン民間航空局は27日、必要時に空港から避難するための緊急計画に関する通達を出したが、これは市民の間に混乱を引き起こした。

民間航空局のファディ・アル・ハッサン局長代理は次のように述べた。「ベイルートのラフィク・ハリリ国際空港は現在も通常通り運航しています。現在のところ、ルフトハンザとサウディアの2社がベイルート便の運航を停止していますが、その他の航空会社は通常通り運航しています」

アル・ハッサン氏によれば、1日あたり4,000人から5,000人の乗客がレバノンに到着し、一方、出発する乗客の数は6,000人から7,000人だという。

「現在の状況を考えれば、この数字は非常に妥当なものです」とハッサン氏は述べている。

ナジーブ・ミカティ暫定首相は、レバノンの大ムフティー、アブドゥルラティフ・デリャン師と会談し、ガザ地区の情勢について話し合った。

ミカティ氏は、「政府は、レバノン南部とガザに対するイスラエルの侵略を止めるため、地域的にも国際的にも外交的、政治的な努力をしています」と述べた。

ミカティ氏は、政府には「起こりうる事態の影響を緩和するための緊急計画」があるという。

ヒズボラ中央評議会のシェイク・ナビル・カウク氏は、「地上のレジスタンスはガザへの侵略を注視している」と述べた。

そのうえで「ヒズボラはあらゆるシナリオに備えており、多くの驚きを用意している」と述べ、米国はヒズボラの姿勢について疑いを抱くべきでないと警告した。

「われわれは(米国を)安心させたいのではなく、むしろ、さらに懸念を強めさせたいのだ」と彼は言う。

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