• イスラエル軍とイランが後ろ盾のレバノンの組織ヒズボラは、3週間前にガザ地区で紛争が始まってから、毎日のように交戦をしている

ベイルート：レバノンのヒズボラは29日、レバノン国境での衝突が激化する中、レバノン南部上空を飛ぶイスラエルのドローンを地対空ミサイルで迎撃したと発表。イスラエルのドローン撃墜を発表したのは、これが初めてである。

ヒズボラによると、ドローンはイスラエルと接する国境から約5キロ離れたキアム付近で迎撃されて、イスラエル領内に墜落したのが確認されたという。レバノン治安筋の2人が、ヒズボラがイスラエルのドローン撃墜を発表したのは、これが初めてだと述べた。

イスラエル国防省はコメントを出していない。イスラエル軍は、29日に同軍がヒズボラのものと説明する標的へ追加で攻撃を行ったと主張しているが、これについてもコメントしなかった。

カーネギー中東センターのモハナド・ハゲ・アリ氏は、ヒズボラは「（ドローン迎撃の）能力があるとはほのめかしてきたが、ドローンを迎撃できるという、この種の能力を実際に見せて明らかにしたのは初めてだ」と述べた。

国連によるレバノンの平和維持部隊であるUNIFIL（国連レバノン暫定軍）が29日早朝に発表したところによると、28日、レバノンとイスラエルの国境付近のフーラ村近くの基地に砲弾が命中し、UNIFILの隊員1名が負傷したという。

イスラエル軍とイランが後ろ盾になっているレバノンの組織ヒズボラは、3週間前にガザでの紛争が始まってから、毎日のように交戦を続けている。

イスラエル軍は29日、同軍部隊が、イスラエルに向けて対戦車ミサイルを発射しようとしたレバノン南部の班に攻撃を加え、レバノン領土からの発射体に反応して同軍の戦闘機がヒズボラの標的を攻撃したと発表した。

同軍は、これまでに国境地帯でヒズボラの戦闘員約46人が死亡、43人が負傷し、衝突開始以来、国境沿いの42地点で84回の攻撃を行ったと付け加えた。イスラエル軍は、これまでに少なくとも7人の同軍兵士が死亡したと発表した。

UNIFILは28日、レバノン沿岸の町ナコウラ近くの本部も基地内に着弾した砲弾により被害を受けたと発表した。

「UNIFILは、レバノン南部の安定を回復し、この非常に危険な状況を緩和するために、24時間休みなく精力的に活動している我が部隊に対するこの2回の攻撃について、重大な関心を表明する」と、SNSプラットフォームのXに投稿した。

ロイター