ジュネーブ:世界保健機関(WHO)は、11月1日にガザ地区から負傷した患者が初めて避難したことを歓迎する一方、何千人もの負傷した民間人や慢性疾患を持つ民間人も治療を必要としていることを強調した。
救急車は、負傷した民間人をパレスチナの飛び地から移送し、隣国エジプトで緊急治療を受けさせた。
イスラエルは10月7日にハマスの武装集団が国境を越えて襲撃してきて以来、ガザに激しい爆撃を加えている。イスラエル当局によると、ハマスの襲撃では、民間人を中心に1400人が殺害され、子供を含む少なくとも240人が誘拐されたという。
ハマスが支配するガザの保健省によれば、イスラエルとの戦争が始まって以来、8800人近くが死亡したという。死者数には3600人以上の子供が含まれ、2万2000人以上が負傷している。
「世界保健機関は、エジプトがガザ地区から81人の負傷者と病人を治療のために受け入れたことを歓迎する」とWHO東地中海地域支部は声明で述べた。
現地のパレスチナ人情報筋によると、88人の患者が搬送される見込みだという。
WHOは、国境に最も近い主要都市にあるAl-Arish病院が最初の紹介病院となるだろうと述べた。
「同病院には、蘇生・集中治療設備が完備されており、大外傷や火傷を含む重傷に対応できる外科チームが揃っている」と同機関は述べた。
また、エジプト内の第二次病院への紹介体制も整っていると同機関は付け加えた。
WHOは、最初の避難を歓迎する一方で、ガザ地区内では「何千人もの重傷を負った民間人」が治療を必要としていると述べた。
1000人以上の患者が腎臓透析を、2000人以上の患者ががん治療を必要としており、また4万5000人が心血管疾患を、6万人以上が糖尿病を患っていると同機関は指摘した。
「これらの患者は、ガザ内で持続的な医療を受けることができなければならない。病院やその他の医療施設は、砲撃や軍事利用から保護されなければならない」と国連保健機関は述べた。
ガザ地区内にそのようなサービスがないため、10月7日以前は、1日に約100人の患者がガザ地区外で専門的な医療を必要としていた。
WHOは、ガザ市およびガザ地区全域での燃料、水、食料、医薬品を含む人道支援物資への緊急かつ迅速なアクセスと、ガザ地区外での患者の紹介サービスへのアクセスを引き続き求めた。
「最終的に、WHOは、さらなる人的損失と苦しみを防ぐために、人道的停戦を要求する」と同機関は述べた。
AFP