ホンダの三部敏宏社長は16日、2040年に世界で販売する全ての新車を電気自動車(EV)と燃料電池車(FCV)とする計画について、前倒しする可能性を示唆した。欧州連合(EU)などで環境規制が強化されており、「計画の妥当性は検証しながら、必要であれば修正する」と語った。
東京都内で時事通信などの取材に応じた。ホンダは4月に電動化計画を公表したばかり。EUは14日、35年にエンジン搭載車の新車販売を禁止する方針を示し、カナダでもエンジン車販売ができなくなる。ホンダは35年時点で先進国でのEV・FCV販売割合を8割にする計画だが、欧州などでのエンジン車に対する規制強化はこの計画を上回るペースで進んでいる。三部氏は「日を追うごとに(規制が)前倒しになっている。国際的に合わせないと商売ができない」との認識を示した。
FCVについて、現在のモデル「クラリティ」の生産を年内に打ち切る。狭山工場(埼玉県狭山市)の閉鎖に伴うもので、三部氏は「やめざるを得ない」と述べた。新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、次期モデルの開発は遅れている。三部氏は「ちょっと間は空くが、次の車はちゃんと出す」と語り、FCV強化の重要性も強調。EVと両輪で対応を進める考えを示した。
時事通信