
ガザ/エルサレム/パリ:2日、さらに多くの外国人が包囲されたガザ地区から逃れる準備をしている一方、ハマスが支配する政府は、イスラエルによるジャバリヤ難民キャンプへの攻撃で少なくとも195人のパレスチナ人が死亡したと発表した。国連の人権担当官は、これらの攻撃は戦争犯罪である可能性があると述べた。
イスラエル、エジプト、ハマス間の協定により、500人の初期リストのうち、少なくとも320人の外国人と、重傷を負った数十人のガザ市民が1日、エジプトに渡った。
オーストラリア、オーストリア、ブルガリア、チェコ共和国、フィンランド、インドネシア、イタリア、日本、ヨルダン、英国、米国のパスポート保持者が避難した。
ガザ国境当局は、2日に国境の通行を再開し、より多くの外国人が出国できるようにすると述べた。ある外交筋によれば、約7500人の外国人パスポート保持者が、約2週間かけてガザを離れることになるという。
国境なき医師団(MSF)によると、外国人パスポート保持者や重傷のパレスチナ人が国境を越えてエジプトに避難したが、2万人以上の負傷者が依然としてガザ地区に閉じ込められているという。
MSFは2日の声明で、「多数の重傷者」の避難について言及し、ガザにいた22人の国際スタッフも、ラファ検問所経由でガザを離れた人々の中に含まれていると述べた。
「しかし、ガザにはまだ2万人以上の負傷者がいる。包囲のために医療へのアクセスは限られている」
MSFのパレスチナ人スタッフは、まだガザで医療を提供しており、別の国際チームが、「状況が許し次第」ガザを去ったスタッフに代わって、現地に入るのを待っている、と同団体は付け加えた。
MSFはまた、より多くの人々を避難させるとともに、停戦および、より重要な援助物資の受け入れを求めた。
「ガザから立ち去ることを望む人々は、これ以上遅れることなく立ち去ることが許されなければならない。同様に、帰還する権利も認められなければならない」と声明は述べている。
最初のオーストラリア人がガザからエジプトへ
オーストラリアのティム・ワッツ外務次官補は2日、イスラエルに包囲されたガザ地区を出国し、ラファ検問所を通ってエジプトに入国した最初の外国人グループの中に20人のオーストラリア人が含まれていたと述べた。
カタールによって仲介された合意を受け、1日には少なくとも320人の外国人がガザからエジプトに渡った。
ワッツ氏によると、ガザに閉じ込められているオーストラリア人はまだ65人おり、政府は利用可能なあらゆる通信手段を使いながら、できるだけ早くラファ検問所に向かって移動するよう彼らに促しているという。
「我々は、可能な限りの支援を行っており、利用可能なすべてのチャンネルを通じてコミュニケーションをとっている」と、ワッツ氏はABCテレビに語った。「常に完璧というわけではない。ここは紛争地帯なのだ」
ワッツ氏は、民間の選択肢が十分にあるため、政府は今のところこれ以上の支援飛行を計画していないと述べた。紛争が始まった10月7日以来、オーストラリア政府は数回の送還フライトを実施している。
ハマスの武装勢力に対する攻勢を強めるイスラエルは、同過激派が10月7日、イスラエル南部で国境を越えて襲撃を行ったことを受け、ハマス一掃作戦として陸海空からガザを空爆し続けている。イスラエルは、ハマスが民間人を中心に1400人を殺害し、200人以上の人質を取ったと発表した。
ガザ保健省によると、10月7日以来、狭い沿岸部の飛び地に対するイスラエルの攻撃により3648人の子どもを含む、少なくとも8796人のパレスチナ人が死亡したという。
パレスチナ赤新月社によると、2日の早朝、人口密度の高いガザ市のアル・クッズ病院周辺で爆発音がしたという。イスラエル当局は同病院に対し、直ちに避難するよう警告していたが、国連当局者は、患者を危険にさらすことなく避難することは不可能だと述べていた。
イスラエルはハマス司令官2人を殺害したと発表
イスラエルは、31日と1日の攻撃で、ガザ最大の難民キャンプであるジャバリアでハマスの軍事指導者2人を殺害したと発表した。イスラエルは、ハマスが司令部やその他の「テロ・インフラ」を市民の建物の地下、周辺、屋内に置いており、意図的にガザ市民を危険にさらしていると述べた。
ガザのハマスが運営するメディアオフィスは2日、ジャバリアに対する2回のイスラエルの攻撃で少なくとも195人のパレスチナ人が死亡し、777人が負傷、120人ががれきの下で行方不明になっていると発表した。
パレスチナ人たちは1日、がれきを取りはらいながら、閉じ込められた犠牲者を必死に探した。「これは大虐殺だ」と目撃者の一人は語った。
国連の人権担当官は、キャンプへの攻撃は戦争犯罪になりうると述べた。
「ジャバリア難民キャンプに対するイスラエル軍の空爆による多数の民間人犠牲者と破壊の規模を考えると、これは戦争犯罪に相当しかねない不均衡な攻撃であるとの深刻な懸念を抱いている」と国連人権高等弁務官はソーシャルメディアサイトXに投稿した。
イスラエル軍は、1日にガザで兵士1人が死亡したと発表した。31日には15人が殺害された。
人道的休戦を求める国際的な呼びかけが高まる中、イスラエルの攻撃と封鎖強化の下、ガザの状況はますます絶望的になっており、食料、燃料、飲料水、医薬品は底をつきかけている。
1日、エジプトへの移動を待つ米国パスポート保持者のファティ・アブ・アルハサン医師は、水も食料もシェルターもないガザの地獄のような状況をこう語った。
「我々は死者の上で目を開け、死者の上で目を閉じる」
ガザで唯一のがん専門病院も、燃料不足で閉鎖を余儀なくされ、病院は苦境に立たされている。イスラエルは、ハマスの戦闘員が燃料を軍事目的に転用することを懸念し、人道的輸送隊がガザに燃料を持ち込むことを拒否している。
ガザ保健省のアシュラフ・アルクドラ報道官は、インドネシア病院の主電源は燃料不足のため機能しなくなったと述べた。
同病院は予備の発電機に切り替えているが、死体安置所の遺体用冷蔵庫や酸素発生器にはもはや電力を供給できないという。「数日以内に燃料が手に入らなければ、大惨事になることは避けられない」と彼は語った。
米外交官、再びイスラエルへ出発
アントニー・ブリンケン米国務長官は2日、1カ月足らずで2度目のイスラエル訪問に出発する予定だ。彼は、3日にベンヤミン・ネタニヤフ首相を含むイスラエル政府高官と会談し、連帯を表明するとともに、パレスチナ市民の犠牲を最小限に抑える必要性を改めて強調する予定である、と同氏の報道官は述べた。
ブリンケン氏はまた、イスラエルとの関係を正常化している数少ないアラブ諸国のひとつであるヨルダンにも立ち寄る予定だ。1日、ヨルダンはイスラエルがガザ攻撃を終えるまでとして、大使をテルアビブから撤退させた。イスラエルはヨルダンの決定を遺憾に思うと述べた。
ヨルダンでブリンケン氏は、市民の命を守ることの重要性を強調し、アラブ世界で懸念が高まっている、パレスチナ人がガザから強制的に避難させられないようにするという米国の約束を改めて表明する予定だ。
彼はまた、エジプトとカタールが主導する、ハマスが拘束している人質全員の解放に向けた協議を行うという。
されに2日には、米下院が143億ドルのイスラエル支援法案を共和党の支持を得て可決する可能性がある。
しかし、民主党が支配する上院では厳しい反対に直面、政権は拒否権を発動すると警告しているため、法案成立の可能性は低い。ジョー・バイデン大統領は、ウクライナ、国境警備、人道支援に加え、イスラエルへの資金提供を含む1060億ドルの法案を望んでいる。
ロイター – AFP