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ハマス拘束の人質家族、「あの日から時が止まったまま」

2023年11月4日、テルアビブで、ハマスの武装勢力による10月の攻撃でガザに拘束された人質の即時解放を求め、写真を手に抗議デモを行うイスラエル人。(ロイター)
2023年11月4日、テルアビブで、ハマスの武装勢力による10月の攻撃でガザに拘束された人質の即時解放を求め、写真を手に抗議デモを行うイスラエル人。(ロイター)
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06 Nov 2023 03:11:07 GMT9
06 Nov 2023 03:11:07 GMT9

テルアビブ:ハマスによるイスラエル奇襲で妻と娘2人を人質として連れ去られた10月7日以降、ヨニ・アッシャーさんにとって、すべて時間の感覚は止まっている。

「仕事もできず、眠れず、生きるための最低限の食事しかしていません」と、黒いTシャツにネックレスを着用したアッシャーさんは(37)は疲れ切った様子で記者団に語った。

イスラエルによれば、同国にとって史上最悪の攻撃となる、1カ月前の武装勢力ハマスのガザ地区からのイスラエル襲撃により、民間人を中心に1400人が殺害され、少なくとも242人の人質がハマスに拘束されている。

ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザの保健当局によると、イスラエルによる空・陸・海からの報復攻撃で、ガザでの死者は9500人近くに達した(同じく、その多くが民間人)。

その運命の日、アッシャーさんは、妻のドロンさんと娘のラズさん、アビブさんがニルオズ・キブツにいる義母のエフラットさんを訪ねる間、テルアビブの自宅に1人で残っていた。

ガザとの国境近くに位置するそのコミュニティにはおよそ400人の住人がおり、ハマスの襲撃により大きな打撃を受けた。

キブツの広報担当者は今週、襲撃によりニルオズでは20人以上が殺害され、少なくとも75人が拉致されたと明かした。

襲撃のニュースが流れた後、アッシャーさんは、自分の家族が武装勢力にピックアップトラックの荷台に乗せられて連れ去られる映像を目にした。

エフラットさんは映像では生きていたが、イスラエル軍はまもなくエフラットさんの死亡を発表した。

それでもなお、アッシャーさんはドイツとイスラエルの二重国籍である妻と子供たちの生存の最後の証拠としてこの映像を持ち続けている。

10月7日以降、アッシャーさんは不動産起業家としての仕事をやめ、家族を取り戻すためにすべての時間を捧げている。

テルアビブで行われた、人質や行方不明者の家族らの集まりで、アッシャーさんは「これまで300回近いインタビュー」に応じたと語った。

そして、「私にとって、今日の日付はまだ10月7日です」

「時が止まってしまいました」と述べた。

イスラエル軍がガザ地区へ容赦ない攻撃を続けているものの、衝撃を受け、怒りに満ちた同国民にとって、人質の解放はこの戦争の主な目的であり、最大の懸念となっている。

ハマス側はイスラエルのガザ地区への攻撃により人質が殺害されたと繰り返し主張しているが、証拠を検証することは不可能だ。

「親として、子どもがベッドで飛び跳ねるだけで恐怖を感じるのです。爆撃があちこちで起きている今、私たちの恐怖を想像してほしい」とアッシャーさんは訴えた。

「私たちは平和を望んでおり、民間人が苦しむことを望んではいません」

同じくガザ地区に拘束されているとみられる85歳の祖母ヤファさんについて話すアドヴァ・アダールさんの声は震えていた。

「祖母にとって1分1秒が悪夢です」と語り、心臓と腎臓に問題を抱えるほか、動脈性高血圧や慢性疼痛を抱えるヤファさんが十分な医療を受けられないことを心配した。

ニルオズの住人であったヤファさんは映像では生存が確認されているが、アダールさんのいとこのタミルさんはハマスの攻撃以来行方不明になっている。

アダールさんは他の家族同様、前向きであり続けようとしており、人質のためにパリを訪問した後、イスラエルに戻った。

「ですが、現実を思い知らされることもあります」とソーシャルワーカーは語った。

「 1ヶ月も薬を飲まないでいれば、ヤファさんは生き残ることはできず、ガザで死んでしまった可能性を意味します」

エラ・ベン・アミンさんは両親がベエリ・キブツから拉致されて以来、眠るために「たくさんの薬」を飲んでおり、週に2回セラピーを受けているという。

襲撃後の遺体収容を支援したNGO団体のZakaによると、10月7日に殺害されたベエリ・キブツの住民は100人以上に上る。

ベン・アミンさんも他の親族と同様に人質を「取り戻すことに集中」し、家族を取り戻すという目的に対する意識を高めるため、メディアの取材に応じ続けていると述べた。

ベン・アミンさんの母親のラズさんは脳と脊髄腫瘍の治療を必要としており、運動障害があるという。

キブツ襲撃の生存者は死海にあるホテルに収容されている、とベン・アミンさんは説明した。

家族らは毎日「共に歌い」、情報を交換し、悲しみを分かち合う。

「発見された多くの遺体の身元がいまだに確認されていないため、それが誰であったのか知らされるのは、その場所なのです」とベン・アミンさんは語った。

AFP

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