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イスラエルのミサイル攻撃がレバノン南部の病院を直撃

2023年11月9日。ガザ地区でのハマス武装勢力との戦闘が南部で続き、ヒズボラとイスラエルの国境を越えた緊張が高まる中、併合されたゴラン高原で訓練中に弾丸を発射するイスラエルの戦車。(AFP)
2023年11月9日。ガザ地区でのハマス武装勢力との戦闘が南部で続き、ヒズボラとイスラエルの国境を越えた緊張が高まる中、併合されたゴラン高原で訓練中に弾丸を発射するイスラエルの戦車。(AFP)
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12 Nov 2023 01:11:39 GMT9
12 Nov 2023 01:11:39 GMT9
  • レバノン公衆衛生省はこの攻撃を非難し、「すべての国際法と条約に対する明白な反抗」と表現した。

ナジャ・フーサリ

ベイルート:レバノン南部戦線での敵対行為は10日にエスカレートし、イスラエル軍の砲撃は初めてメイズ・アルジャバル政府病院に到達し、病院を損壊させ、医師1人を負傷させた。

国連のレバノン人道調整官であるイムラン・リザ氏は、「すべての当事者は、軍事行動を通じて国際人道法を厳守し、人道医療従事者を含む民間人がどこにいても保護すること」を求めた。

同氏はさらに、家屋、農場、病院を含むすべての民間人用地を保護するよう呼びかけ、全ての当事者に「自制を行使し、さらなるエスカレートを回避する」ことを促し、民間人のさらなる被害を避けるべきだと述べた。

病院を直撃したミサイルは爆発しなかったが、救急部門に被害を与え、医師を負傷させたと、同病院の院長であるフセイン・ヤシン医師は述べた。

レバノン公衆衛生省はこの攻撃を非難し、「すべての国際法と条約に対する明白な反抗」と表現し、「病院を標的とした砲弾が爆発していれば、壊滅的な結果を招いたであろう、この不当な行為」について、「イスラエル当局に全責任がある」とした。さらに、「これらの犯罪の背後にいる者の責任を追及するため、徹底的かつ公正な調査を行う」よう求めた。

別の場所では、イスラエルの戦闘機がベイルート上空を飛行しているのが目撃されている。一方、ある軍関係者は、レバノン軍が南東部国境近くのブリダ村に近いビル・シュアイブ地区の自軍基地を撤退したという報道を否定した。同筋によると、同地域に軍の前線基地はなく、「兵士が滞在している」移動式の警備拠点があるだけだという。

レバノン南部戦線におけるヒズボラとイスラエル軍の衝突は著しくエスカレートしているが、これらは依然としてリタニ川以南の地域に限定されている。

リザ氏は、イスラエル軍がレバノンから完全に撤退したかどうかを判断するために2000年に国連によって設定された両国の国境エリアにある「ブルーライン」沿いで敵対行為が増加するなど、緊張が高まる兆候が見られると警告した。

「我々は最近、レバノン南部において、女性、子供、報道関係者を含む民間人を殺傷するという憂慮すべき攻撃を目撃している」と彼は語った。

「私有地や公共インフラ、農地にも大きな被害が出ており、2万5000人以上の住民が避難を余儀なくされている。地元の農民は、生計を立て、収入を得るために重要なオリーブやタバコの収穫の際に、自らの命を危険にさらしている」

ヒズボラは10日、イスラエル軍との衝突で死亡した党員7人を追悼した。これで現在の戦闘が始まって以来、同党の戦闘員の死者は69人となった。

イスラエル軍は、レバノン領内からの誘導ミサイル発射への反応として、航空機がレバノンのヒズボラのインフラを爆撃したと発表した。さらに、攻撃は「ヒズボラの拠点、観測所、技術装備を標的にしたものである」と付け加えた。

ヒズボラは、「レバノン国境の町メイズ・アル・ジャバルの対岸にあるアル・アシ遺跡付近アル・アシ地点近くで、敵兵士の集結地を誘導ミサイルで攻撃し、直撃させた」と述べた。

イスラエル軍が、民間地域での使用が国際人道法により禁止されているリンを含む弾薬を作戦で引き続き使用しているとの報告がある。

9日夜、マルジャユーン地区の町は激しい攻撃にさらされ、リン弾や重砲弾が使用されたと報じられている。戦闘開始時に避難していたブウェイダの家屋に被害が出たという。

国境地帯から多くの避難民を受け入れているシドンにある市営スタジアムでは、金曜礼拝のために大規模な集会が行われた。礼拝者はガザ地区のがれきの下に埋もれた人々の魂のために祈り、寄付が集められた。

イスラエルのヨアヴ・ガラント国防相は9日、ヒズボラへの警告を強め、同党のハッサン・ナスララ書記長に対し「もし彼が間違いを犯せば、ヒズボラとレバノンがその結果を背負うことになる」と述べた。

ナスララ氏は1週間前の最初の演説に続き、11日に紛争に関する2回目の演説を行う予定である。ある政治オブザーバーは、「エスカレートした演説になるだろうが、紛争を拡大させるようなものではないだろう」と予想している。

ナスララ氏の演説は、ガザ地区の最新情勢を話し合うためにリヤドで開催されるアラブ緊急首脳会議と同時に行われる。

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