
ワシントン/ベイルート:シリア東部で米国による空爆が行われ、少なくとも8人の親イラン戦闘員が死亡した。戦争監視団体が13日に発表した。米国はこの前日、同国軍が受けた攻撃への対応として空爆の実施を予告していた。
12日遅くにシリア東部デリゾール県のマヤディーンとアルブ・カマルで行われたこれらの空爆を受けたシリア人権監視団の発表によると、「イラク人と少なくとも1人のシリア人を含む親イラン戦闘員8人が死亡」した。
米軍がイラン関連施設とされる標的に対し攻撃を行ったのはこの3週間足らずで3回目となる。米国は、中東に駐留する同国軍に対する攻撃の急増は、イランからの支援を受ける様々な武装組織によるものだとしている。
ロイド・オースティン国防長官は声明の中で次のように述べた。「米軍は本日、イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)および親イラン組織によって使用されているシリア東部の施設に対し精密爆撃を実施した。イラクとシリアの米軍兵士に対して相次いでいる攻撃への対応だ」
「これらの空爆は、アルブ・カマル近郊の訓練施設およびマヤディーン近郊の隠れ家に対して実施された」
米国は8日、シリアにあるイラン関連の武器貯蔵施設を空爆した。10月26日にも、イランおよび関連組織が使用しているとされる同国の施設2ヶ所を空爆している。
米国は、一連の空爆はイラクとシリアの米軍に対する度重なる攻撃への対応だとしている。そういった攻撃は10月17回以降45回以上行われており、米軍兵士数十人が負傷している。
ここ数週間の米軍に対する攻撃の急増は、イスラエル・ハマス戦争に関連している。この戦争は、10月7日にパレスチナ過激派組織ハマスがガザ地区から衝撃的な越境攻撃を実施したことで始まった。イスラエル当局によると、ハマスの攻撃による死者は約1200人に上る。
イスラエル軍はガザ地区に対する陸海空からの容赦のない攻撃で応え、同地区の保健省によると1万1100人以上が死亡した。この殺戮に対して中東では怒りが広がり、イランの支援を受ける諸組織からは米国への批判の声が上がっている。
ダーイシュの復活を阻止するための活動の一環として、イラクには約2500人、シリアには900人の米軍兵士が駐留している。
ダーイシュはかつて両国において広大な領土を掌握していたが、国際有志連合による空爆に支援された現地の地上部隊との何年にもおよぶ血みどろの紛争の末に排除された。
AFP