
ドバイ:ヨルダンのビシェル・ハサーウネ首相はパレスチナ人の強制退去を、同国とイスラエルとの平和条約に対する根本的な違反である「越えてはならない一線」と表現した、とヨルダン・タイムズ紙が27日に報じた。
ハサーウネ首相は、強制的な集団移動を防ぐ同条約の主要条項を強調し、そのような移動はパレスチナ問題を解消し、ヨルダンの国家安全保障を脅かすと述べた。
ハサーウネ首相は、パレスチナ人の強制退去が起これば平和条約は意味を失うと警告。
同氏は、ヨルダン川西岸地区での強制移動の前例を恐れて、エジプトがガザ地区からのパレスチナ人強制退去を拒否していることに対するヨルダンの支持を表明した。
ハサーウネ首相は、アブドッラー国王が長年にわたって二国家共存案を支持してきたことを強調し、地域が暴力に陥ることを見越して、同案をないがしろにすることに警告を発した。
ヨルダンはアル・アクサモスクの現状を変えようとするいかなる試みも、越えると結果を伴うもうひとつの「越えてはならない一線」であると考えている、と首相は警告。
ハサーウネ首相は、ヨルダンはイスラエルからの液化天然ガスの供給が停止した場合の代替手段を模索中であるとした。
同氏は、ヨルダンはほかのアラブ諸国と協議するとともに、イスラエルとの契約上の義務に対するヨルダン政府のコミットメントを確認した、と語った。
ガス供給停止の兆候はないが、ヨルダンは、イスラエルによるガザでの軍事作戦が続くなか代替シナリオを検討し、65日分のガス備蓄を保っている。