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荷車に乗って分かるガザのハーン・ユーニスにおける大量破壊の規模

ガザ地区中部のワディ・ガザでイスラエルの攻撃による破壊の状況を調査するパレスチナ人たち。包囲された飛び地ガザの一部の建物は、壊れたコンクリートと金属棒の山と化している。(AFP)
ガザ地区中部のワディ・ガザでイスラエルの攻撃による破壊の状況を調査するパレスチナ人たち。包囲された飛び地ガザの一部の建物は、壊れたコンクリートと金属棒の山と化している。(AFP)
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30 Nov 2023 06:11:45 GMT9
30 Nov 2023 06:11:45 GMT9
  • 8歳児と10代の少年がヨルダン川西岸地区で銃撃により死亡
  • エルドアン氏がネタニヤフ氏を「ガザの虐殺者」と呼ぶ

ガザ地区/ラマッラー:攻撃によって道路にできた穴を避けるため脇によけながら、1頭のロバがガザ地区のハーン・ユーニスの瓦礫が散乱した通りを小走りで進み、それから、破壊された集合住宅の瓦礫を除去して作られた狭い通路を抜けるためにスピードを落とす。

イスラエルがハマスとの戦争を開始して以来の、同国によるガザの封鎖に起因する燃料不足により、この爆撃にさらされたパレスチナ領土では、ロバがひく荷車が人々や物資の移動に欠かせない輸送手段となっている。

記者の一団はモハメド・アル・ナジャール氏とともに移動した。ハーン・ユーニスにある自宅を空爆により破壊された同氏は現在、8km離れた東部郊外のクザアの学校で家族とともに暮らしている。

「移動が大変なので、ロバの荷車を使っています。あいにく、ハーン・ユーニスに到着するのに3、4時間かかります」と、ナジャール氏は荷車の後部に乗って話している時に述べた。

白いロバはひとつまたひとつと破壊の現場を小走りで通り過ぎ、ゆっくりとしたペースのおかげで、戦争により荒廃した街の様子をよく見ることができる。

一部の建物は破壊され、壊れたコンクリートと金属棒からなる灰色の山と化しており、僅かな衣服や所持品による色彩の痕跡が混沌の中に散らばっていた。

他の建物はさまざまな程度の損傷を受けており、傷だらけの前面、壁に空いた穴、失われた窓などが見られた。ひとつの建物はすっかり空っぽで、支柱のおかげで立っていたが、壁はなくなっていた。

波型の鉄製板が地面に倒れ、奇妙な角度に曲がっており、ごみと瓦礫の山があちこちにあった。

道路には自動車はほとんど見られず、奇妙なスクーターばかりだった。より頻繁に見かけたのは自転車と他のロバ荷車だ。たいていの場合、人々は徒歩で移動していた。2人の男性が力を合わせて1つの調理用ガスボンベを運んでいた。

いくつかの場所では、道路の両脇の建物がすっかり崩れ去っており、人々は車1台がやっと通れる幅の通路を空けていた。荷車はコンクリートの塊の間に取り残された車の燃え尽きた残骸の脇を通り過ぎた。

南部にあるハーン・ユーニスの破壊状況は、イスラエルの軍事作戦による被害が最も激しいガザ市やガザ北部の他の地域ほどひどくはない。北部を撮影したドローンの映像では、攻撃により広範囲が月面のように荒涼とした風景になっている。

一方、パレスチナ保健省によると、ヨルダン川西岸地区の街ジェニンで29日に8歳の男の子と10代の少年がイスラエル軍に殺害された。保健省は声明の中で、「8歳のアダム・アル・グールさんと、15歳のバセム・アブ・エル・ワファさんが占領者の銃弾により死亡した」と述べた。

インターネット上で拡散され、テレビのニュースで流された監視カメラの映像には、1人の少年が通りで銃弾を受けて倒れ、他の子どもたちが逃げていく様子が映っている。

他の画像では、やはり銃弾を受けた10代の少年が倒れ、それから、さらなる銃弾がこの少年の周囲の地面に当たり、他の人々が走って逃げる中で、少年は助けを求めているように見える。

少なくとも30秒にわたって、この10代の少年が明らかに苦しんでいる様子で地面でもがく姿が見られる。

トルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領は、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相に「ガザの虐殺者」という烙印を押し、世界中で反ユダヤ主義の拡大を引き起こしていると非難した。

エルドアン氏は全国放送された発言の中で、「ネタニヤフ氏は既にガザの虐殺者として歴史にその名を刻んだ」と述べた。

「ネタニヤフ氏は、ガザで行った殺戮により反ユダヤ主義を後押しすることで、世界の全ユダヤ人の安全を脅かしている」

エルドアン氏はこう述べた。「ネタニヤフ氏の政権が発する声明は、人道的戦闘休止が持続的な停戦へ移行することを求める我々の希望を損なうものだ」

また、オスロ市庁舎は29日にパレスチナの旗を掲げ、ガザの人々への連帯を示した。

国連総会による決議の採択を受けて1978年から祝われてきた「パレスチナ人民連帯国際デー」に合わせて行われたものだ。

オスロ市長のアンネ・リンドボーエ氏は、「275以上の学級分に相当する、5,000人以上の子どもたちが命を落としたことを知っていれば、本日彼らを追悼するのは至極当然のことです」と、パレスチナを支持する活動家が集まったイベントの際に述べた。

AFP/ロイター

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