ニューヨーク:イスラエル当局は、10月7日の襲撃以前にパレスチナの武装組織ハマスが広範囲に及ぶ攻撃を準備しているとの情報を持っていたが、その報告を却下したとニューヨーク・タイムズ紙が11月30日に報じた。
同紙によれば、イスラエル当局が受け取った文書には、「約1200人の死者を出した壊滅的な攻撃の概要が逐一正確に記されていた 」という。
同紙が確認したその文書には、攻撃がいつ起こるかは明記されていなかったが、最初にロケット弾を乱射、監視体制を破壊する努力、武装集団が陸路と空路でイスラエルに次々と侵入するなど、ハマスが従ったと思われる青写真が示されていた。
タイムズ紙によれば、イスラエル軍の軍事能力や位置に関する安全保障上の機密情報を含む同文書は、国内の軍や情報機関の指導者の間で広く回覧されたが、有力政治家によって確認されたかどうかは明らかではないという。
しかし、昨年の軍事評価では、この計画がハマスによって承認されたというには時期尚早であると判断され、同国のシグナルインテリジェンスのアナリストによる、ハマスが計画に沿った訓練を実施したという警告は却下された。
タイムズ紙によれば、同アナリストは「戦争を始めるための計画」だと警告したが、評価を確認した大佐は「辛抱強く待とう」と提案したという。
警告は、ハマスが同計画をすぐに実行する可能性があることを示唆するものではなく、情報機関は、ハマスの指導者ヤヒヤ・シンワール氏がイスラエルとの戦争を求めていないと信じ続けていた、とタイムズ紙は述べ、諜報の失敗を2001年9月11日の同時多発テロ前のアメリカの失敗と比較している。
イスラエル当局によれば、ハマスによる襲撃で1200人(ほとんどが民間人)が死亡し、約240人が人質となった。
ハマス当局によれば、イスラエルによるガザへの報復的な地上侵攻と空爆により、15,000人以上が死亡し、そのほとんどが民間人だという。
AFP