
エルサレム:イスラエルはレバノン、トルコ、そしてカタールにいるハマスを、たとえ何年もかかろうと追い詰めていく。イスラエルの公共放送KANが日曜日に放送した録音音声の中で、イスラエルの国内治安維持当局であるイスラエル総保安庁長官はこう発言した。
イスラエル総保安庁長官のロネン・バー氏がいつ、そして誰に向けてこの発言を行ったのかは定かでない。
イスラエル総保安庁はこの報道に関するコメントを避けた。
「内閣が私たちの目標として定めたのは、下世話な物言いではあるが、ハマスの一掃だ。これは私たちにとってのミュンヘンだ。ガザ、ヨルダン川西岸地区、レバノン、トルコ、カタール、あらゆる場所で私たちはそれを遂行する。数年かかるだろうが、各地へ行ってやってみせる」
バー氏が言うミュンヘンというのは、1972年、パレスチナの黒い九月というグループの武装集団がミュンヘンオリンピックを襲撃し、イスラエルのオリンピックチームの選手11名が殺害されたことに対するイスラエル側の対応を指している。
イスラエルはこれに対して、黒い九月の工作員や幹部を標的とした暗殺作戦を実行。作戦は数年をかけ、複数の国をまたいで行われた。
10月7日、ハマスの武装集団がガザとの境界線を突破し、民間人を中心に1200人を殺害、約240人を人質に取った。この後、イスラエルはハマス殲滅を宣言した。
ガザ保健省によれば、それ以降のイスラエルによるガザ攻撃で、1万5500人以上が死亡したという。
ハマス指導者は、ガザ以外ではレバノン、トルコ、カタールに居住しているか、それらの国々を頻繁に訪れている。カタールは、金曜日に中断された1週間の戦闘中止の仲介に手を貸した。
オーストラリア、カナダ、EU、イスラエル、日本、そしてアメリカはハマスをテロ組織と認定しているが、長年に渡ってさまざまな国がハマスに何らかの保護を提供してきた。
1997年にはイスラエルのモサドの諜報員が、ヨルダンで当時のハマス指導者カレド・メシャール氏を毒殺しようとして失敗。イスラエルはメシャール氏の命を救うため、ヨルダンに解毒剤を提供しなければならなかった。イスラエルの指導者ベンヤミン・ネタニヤフ氏は当時の首相だった。
ロイター