バグダッド:米軍がイラク北部の都市キルクーク近郊で空爆を実施し、同国に駐留する米軍に対して爆発物の発射準備をしていた武装勢力ら5人を殺害したと、イラクの治安当局者3人が語った。殺害されたのはイランが支援する武装勢力のメンバーだという。
米軍当局者は3日午後、キルクーク近郊にあるドローン発射場を攻撃目標として、「差し迫った脅威に対する自衛的空爆を実施」したことを認めた。
イラン政府と緊密な関係にあるイラクの武装勢力らを傘下に持つ組織「イラクのイスラム抵抗運動」が声明を発表し、メンバー5人が殺害されたと述べ、米軍への報復を誓った。
この組織は3日に、米軍に対する複数の攻撃で犯行声明を出していた。
3日午前には、米軍当局者が、シリア北東部のルマリン着陸帯で米軍および国際軍が複数のロケット弾による攻撃を受けたが、死傷者やインフラへの被害はなかったと話した。
イラクの武装勢力らは、米国がイスラエルのガザ爆撃を支援したとして、10月17日以降、米軍に対して70回以上の攻撃を行ったと主張している。
先日、イスラエルとハマスの戦闘が停止した際、この攻撃は一旦止んだが、また再開された。
米国は11月に入り、米軍への攻撃に関与したとするイラクの親イラン系武装勢力に対し、2度の空爆を実施。
これらの空爆では、少なくとも10人の武装勢力が死亡。謎に包まれた武装組織カタエブ・ヒズボラと、主にシーア派のイスラム武装勢力で構成されている公式治安部隊、イラク人民動員隊のメンバーだったことが確認された。
イラク政府は、このような空爆がエスカレートしており、イラクの主権を侵害しているとして非難を表明した。
2014年にイラクとシリアで大規模なテリトリーを獲得し、後に排除されたダーイシュの復活を阻止するべく、米軍は地元軍に助言および支援することを目的とした作戦で、シリアに900人、イラクに2,500人の部隊を駐留させている。
ロイター