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ガザ紛争:即時停戦決議案に賛成した国々

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11 Dec 2023 12:12:05 GMT9
11 Dec 2023 12:12:05 GMT9
  • マフムード・アッバース大統領:アメリカはガザの子供たちの「殺戮に責任がある」
  • サウジ外相:「ガザに対する我が国のスタンスは公私で同一である」

アラブニュース

ジェッダ:12月9日、世界各国の首脳、人権団体、国連関係者はイスラエルがガザ地区への空襲と砲撃を続ける中、即時停戦を求める国連安保理決議に対しアメリカが拒否権を行使したことを批判した。

アメリカは国連安保理の5つの常任理事国の1つであり、拒否権を持つ。他4か国は中国、フランス、ロシア、イギリスである。

中国とフランス、ロシアは、現在非常任理事国を務める10か国(アルバニア、ブラジル、エクアドル、ガボン、ガーナ、日本、マルタ、モザンビーク、スイス、アラブ首長国連邦)とともに決議案に賛成票を投じた。イギリスは棄権した。

パレスチナのマフムード・アッバース大統領は、アメリカは拒否権行使により、ガザでの戦争犯罪の「共謀者」となったのであり、子供たちの「殺戮に責任がある」と述べた。

アメリカがイスラエルに与えている支持に基づき、「大統領はアメリカの立場は攻撃的かつモラルに反しており、すべての人道的価値と原則に明らかに違反しているのであり、よってアメリカはパレスチナの子供と女性、高齢者たちの殺戮に責任を負うと述べた」とパレスチナ大統領府は声明の中で表明した。

ヨルダン外相は、イスラエルの爆撃とガザ包囲によってパレスチナの民間人が殺害されていることは戦争犯罪であり、今後中東とアメリカ、世界の不安定化をもたらす恐れがあると述べた。

サファディ外相は「もしここにいる人々が理解していないとしても、我々は理解している」と述べ、次のように続けた。「我々は自国民に説明する際に直面する困難を理解している。彼らは、我々が無策だと言っている。必死の努力にもかかわらず、イスラエルは虐殺を続けているのだから」

サウジアラビア外相、ファイサル・ビン・ファルハーン王子はPBSニュースアワーのインタビューで、ガザに対する同国のスタンスは公私で同一であると繰り返した。

ファイサル王子はPBSの司会者ニック・シフマン氏によるサウジアラビアの「公的な呼びかけは、ハマス壊滅という私的な呼びかけと一致しない。なぜ異なるメッセージを送るのか?」との主張を退けた。

ファイサル王子は次のように述べている。「異なるメッセージなど存在しない。私的な発言と、公的な発言は、我が国だけでなく全てのアラブ人にとってまったく同一だ」

王子はさらに以下のように続けた。「私は、公私で発言内容が同じであることを非常に誇りに思っている。西側諸国の外交相手について同じことは言えないだろう」

現在、ガザでの停戦を呼びかけるためにアラブ・イスラム閣僚委員会の訪問団を率いてワシントンに滞在しているファイサル王子は、アメリカの拒否権行使に反対の立場であり、安保理がガザ問題で「確固とした姿勢」を取れないことへの失望を表明している。

UAEのモハメド・アブシャハブ国連大使代行は次のように発言した。「ガザへの無慈悲な爆撃を止めるために団結することができないのであれば、我々はどのようなメッセージをパレスチナの人々に送っていることになるのだろうか」

オマーンのサイード・バドル・アル・ブサイディ外相はXに次のように投稿した。「安保理での拒否権行使は、人道的規範に対する恥ずべき侮辱行為だ」

中国の张军(ザン・ジュン)国連常駐代表は安保理で次のように発言した。「戦闘継続を許しておきながら、同時にガザの人々の生命と安全を気にかけていると主張することは自己矛盾だ」

ロシアのドミトリー・ポリャンスキー国連大使は以下のように述べた。「アメリカの同僚たちは、文字通り我々の目の前で、パレスチナとイスラエルの数万とは言わずとも数千の民間人に死刑を宣告したのだ」

アムネスティのアグネス・カラマール事務局長は、アメリカによる拒否権行使は「衝撃的な死者数を前にして民間人の苦しみを冷淡に無視する行為だ」と述べた。

一方、バイデン政権はイスラエルが軍事作戦を拡大する中、イスラエルに対する1億ドル以上相当の戦車用弾薬約1万4,000発分の売却を緊急事態として承認することを明らかにした。

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