• 国連の物資供給のための訪問後に、チームは飛び地であるガザの主要医療施設の救急部門を「血の海」のようだと表現した。

カイロ：ガザのアル・シファ病院は、基本的な外傷安定化処置しか行っておらず、輸血用血液がなく、絶え間なくやってくる患者を手当てするスタッフがほとんどいないと、世界保健機関（WHO）が17日に述べた。

医薬品および手術用品を供給するための国連の訪問後に、チームは飛び地であるガザの主要医療施設の救急部門を「血の海」のようだと表現した。

WHOによると、負傷した患者が数百人いて、次々に新たな負傷者が到着し、外傷の縫合が床の上で行われており、痛みを緩和する処置はほとんどできない状態だという。

ガザ北部で戦争開始前に機能していた24の病院のうち、部分的にでも医療を提供しているのは4病院だけで、このうちの3つはかろうじて機能している状態だと、WHOは述べた。

WHOはカマル・アドワン病院で緊急の情報取集を行っていると述べた。ガザの当局によると、現地では、ハマスの戦闘員らが使用しているとイスラエルが主張する場所の周辺部を、今週イスラエル軍がブルドーザーによって突き破った。

ガザを統治するハマスは、カマル・アドワン病院や他の病院を軍事活動のために利用してはいないと主張している。
イスラエルは、戦争のより早い段階で占領したアル・シファ病院もハマスに利用されていたとしている。

10月7日のハマスによるイスラエルへの攻撃を受けて開始された、最初の数日の爆撃作戦と地上戦の間に、イスラエル軍が人口の大半を南部に追いやったあと、ガザ北部には数万人のパレスチナ人が残っていると考えられている。

ハマス政府の管轄下にあるガザの保健当局によると、イスラエルの作戦期間中に50,000人以上のパレスチナ人が負傷し、19,000人が死亡した。

WHOは、「数万人」の家を追われた人々がアル・シファ病院を避難所として利用していると述べ、安全な水と食料の深刻な不足について語った。

ガザには230万人が暮らしており、その大半が攻撃により自宅からの避難を強いられた。

ガザ保健省によると、カマル・アドワン病院でイスラエル軍が数百人の国内避難民を退去させ、負傷した患者と医療従事者を病院の屋外の敷地に避難させたという。

保健省の報告について言及したWHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長は、状況について「非常に憂慮」していると述べた。

イスラエル軍は、同病院はハマスの「指揮統制センター」として利用されており、兵士らは16日に現場を去るまでに約80人の戦闘員を拘束したと述べた。ガザ当局は、病院長を含むおよそ70人の医療従事者がイスラエルに拘束されたと発表した。

ロイターが入手した動画には、同病院において布に包まれた2つの遺体、大破した車の側にいる負傷した少年、破壊されて焼けた壁、残された所持品の山がうつっている。ロイターは死者や負傷者が出た原因を断定できなかった。

「彼らは建物を襲撃し、取り調べのために全職員を連れて行き、負傷者も取り調べを受けた」と、同病院の医師であるアフメド・アル・カーロト氏が述べた。

イスラエル軍は、病院で発砲し、医療機器の中に隠された武器を見つけ、複数の銃や手榴弾を示す兵士らをうつしたとする動画を、16日に公開した。

ロイターはこれについて独自に真偽を確認できなかった。

同病院付近でイスラエル軍のブルドーザーが動かした土により市民らが埋められたと主張する目撃者らに言及した、パレスチナのマイ・アルカイラ保健相などからの報告についても、ロイターは真偽を確認できなかった。

ガザの保健当局者であるムニル・アル・バーシュ氏は、カマル・アドワン病院におけるイスラエルの「意図的な犯罪」に対する国際的な調査を要請した。

イスラエルはこの申し立てについてのコメント要請に直ちに返答しなかった。

ロイター