Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • 中東
  • イスラエル軍の空爆でガザの家族76人が死亡と救助当局が発表 南部では戦闘が拡大

イスラエル軍の空爆でガザの家族76人が死亡と救助当局が発表 南部では戦闘が拡大

イスラエルとパレスチナの過激派組織ハマスとの戦闘が続く中、ガザ地区で作戦行動を行うイスラエル軍兵士(AFP)
イスラエルとパレスチナの過激派組織ハマスとの戦闘が続く中、ガザ地区で作戦行動を行うイスラエル軍兵士(AFP)
Short Url:
24 Dec 2023 01:12:50 GMT9
24 Dec 2023 01:12:50 GMT9
  • ハマス殲滅を目的としたイスラエルの戦争では、これまで2万人以上のパレスチナ人が死亡し、5万3千人以上が負傷している。
  • 22日に行われたガザ市の建物への空爆は、イスラエルとハマスの戦争において最も死者が多いもののひとつとなった。

ラファ:イスラエル軍の空爆により、76人の家族が死亡したと救助当局が23日に発表した。これは、国連のアントニオ・グテーレス事務総長が、ガザには安全な場所はなく、イスラエルの継続的な攻撃は人道援助物資の配給に「大規模な障害」をもたらしていると再度警告した翌日のことである。

22日のガザ市内の建物への攻撃は、現在12週目に突入したイスラエルとハマスの戦争で最も死者の多いもののひとつであったと、ガザの民間防衛局のスポークスマン、マフムード・バサール氏は述べた。同報道官は、死亡者リストの一部を公表、アル・ムグラビ家の16世帯の世帯主が死亡したとし、他に女性や子供も犠牲になったと述べた。

死亡者の中には、国連開発計画(UNDP)のベテラン職員であるイッサム・アル・ムグラビ氏とその妻、そして5人の子供たちが含まれていた。

「イッサム氏とその家族を失ったことは、私たち全員に深い影響を与えた。国連およびガザの民間人は標的ではない」とUNDPのアヒム・シュタイナー総裁は述べた。「この戦争は終わらせなければならない」

イスラエルは、10月7日にハマスの武装勢力が境界を越えて襲撃し、約1200人を殺害し、約240人の人質を取ったことを受け、戦争を宣言した。イスラエルは、ハマスを殲滅し、ガザの権力から排除し、すべての人質が解放されるまで戦い続けることを誓った。

ガザの保健当局によると、イスラエルがハマスを破壊しようとしているこの戦争で、2万人以上のパレスチナ人が死亡し、5万3千人以上が負傷したという。ガザは、過去16年間、イスラム武装グループによって支配されている、包囲下の地区である。

イスラエルは、ハマスが密集した住宅地を軍事目的に利用したり、都市部の地下にトンネルを掘ったりしていることを理由に、多数の民間人の死者数はハマスの責任だと非難している。イスラエルは10月7日以来、数千回に及ぶ空爆を行なっているが、具体的な攻撃については、その標的について言及することを含め、ほとんど詳細を明らかにしていない。

22日、国連安全保障理事会(安保理)は、ガザで絶望的な状況に直面している市民への援助物資の配送を直ちに加速させることを求める、緩和された決議案を採択した。

米国は、イスラエルとハマスの間の「敵対行為の緊急停止」を求める厳しい要求を決議案から削除する決定を勝ち取ったが、ロシアは投票を棄権した。米国が人道的一時停止と完全停戦を求める先の2つの決議案に拒否権を発動したため、同決議案は、この戦争に関して初めて理事会を通過したものとなる。

国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、人道的停戦を求める以前からの呼びかけを繰り返した。彼は、22日の同決議がその実現の助けとなることを望むとしながら、ガザの人々にとって現在進行中の「悪夢」を終わらせるためには、「直ちにもっと多くのことが必要だ」と述べた。

彼は記者会見で、ガザにおける人道活動の効果をトラックの数で測るのは間違いだと語った。

「本当の問題は、イスラエルが行っているこの攻撃の方法が、ガザ内の人道援助物資の流通に大きな障害をもたらしていることだ」と彼は述べた。彼は、効果的な援助活動を行うための前提条件、つまり、安全保障、安全な状況のもとで働けるスタッフ、特にトラックなどの物流機能、そして商業活動の再開が存在していないと述べた。

イスラエルによる空爆と地上攻撃は、近年の歴史上最も破壊的な軍事作戦のひとつであり、ガザに住む230万人の85%近くを避難させ、この沿岸の小さな飛び地の広範囲を破壊し尽くしている。国連やその他の機関が今週発表した報告書によれば、ガザでは人口の4分の1に当たる50万人以上が飢餓状態にあるという。

バイデン政権による支援を受けて、イスラエルはこれまでのところ、戦闘の規模の縮小を求める国際的な圧力に抵抗している。イスラエル軍報道官のダニエル・ハガリ少将は22日遅く、軍が「南部を中心に、同地区の新たな地域に地上攻撃を拡大している」と述べた。また、イスラエルによる地上攻撃の最初の焦点であったガザ市を含むガザの北半分でも作戦が継続されていると述べた。

軍は土曜日、ガザ市の複数箇所でハマスの戦闘員に対して空爆を行ったと発表した。軍は、過去3週間で約2000人を含む数千人のハマス過激派を殺害したと主張しているが、その主張を裏付ける証拠は示していない。軍は地上攻撃で139人の兵士が死亡したと述べている。

国連決議の後、援助物資の輸送がいつ、どのように加速されるのかは、すぐには明らかにならなかった。現在、トラックはエジプトとの国境にあるラファ、およびイスラエルとの境界にあるケレム・シャローム2つの検問所から入っている。

承認された決議案では、米国は国連がガザへの支援物資の検査を行う権限を持つという言葉を削除するよう交渉した。イスラエルは、物資がハマスの手に渡らないようにするために、続けて検査を行う必要があると主張している。

イスラエルのギラド・エルダン国連大使は、米国の支援に感謝するとともに、国連が10月7日のハマスの攻撃を非難しなかったことを厳しく批判した。米国は10月イスラエルの自衛権を明確に示していないとして、ハマスへの非難を含む決議案に拒否権を発動した。

ハマス側は声明で、国連決議はイスラエルの攻撃の即時停止を要求すべきだったと述べ、22日の安保理採決の前に「決議の本質を空洞化する」ことを推し進めた米国を非難した。

AP

最新
特に人気
オススメ

return to top