• ヒズボラは9日、レバノンでの司令官1人の殺害およびハマス幹部の殺害に対する報復として、イスラエルの軍事基地を攻撃したと発表した。
• 9日のイスラエルによる攻撃ではヒズボラの戦闘員3人が死亡した。

ベイルート：ヒズボラは9日、イスラエル北部の軍事基地を標的とした自爆ドローンを発射し、攻撃はイスラエル軍がレバノンで実行した暗殺への報復であると発表した。情報筋によれば、イスラエルの攻撃によりヒズボラ戦闘員3人が死亡した。

ヒズボラは、サフェド（ツファット）にあるイスラエル軍基地を狙ったドローン攻撃は、2日にハマスのサレハ・アル・アルーリ司令官がベイルートで殺害されたこと、また8日にヒズボラ司令官が殺害されたことに対する報復であるとしている。

ヒズボラの軍事作戦に詳しい情報筋によれば、国境から14kmの位置にあるサフェドをヒズボラが攻撃したのは、3カ月前のハマスによるガザ地区からイスラエルへの越境攻撃に端を発する今回の紛争では初めてのことだ。

イスラエル軍の報道官は、北部の基地が上空から攻撃されたものの、被害や死傷者はなかったとした。報道官は攻撃の正確な場所には言及しなかった。

今回のイスラエルとの衝突で、レバノンでは130人以上のヒズボラ戦闘員が殺害され、2006年のイスラエル・ヒズボラ戦争以来で最悪の軍事衝突となった。暴力の応酬により、国境の両側で数万人の人々が家を追われ、対立がさらに激化し周辺地域に波及することが懸念されている。

情報筋によれば、3人のヒズボラ戦闘員は9日、レバノン南部のガンドゥーリエで車両に乗っていたところを攻撃され死亡した。

イスラエル軍は声明のなかで、空軍がキラ（レバノン側の国境の村クファルキラを指すと思われる）にあるヒズボラの標的と、レバノン南部の別の地点にあったヒズボラのドローン拠点を攻撃したと述べた。

8日に殺害されたヒズボラ司令官のウィサム・タウィル氏は、ヒズボラのエリート集団であるラドワン部隊を率い、今回の軍事衝突で死亡したヒズボラ構成員のなかでもっとも高位となる。同氏は南部での軍事作戦を指揮する主導的立場にあった。

ヒズボラのナンバー2であるナイム・カセム氏は、9日のテレビ演説のなかで、ヒズボラはレバノンへの戦火の拡大を望まないとしつつ、「もしイスラエルが戦火を広げるならば、イスラエルの戦意を挫くため、最大の戦力で応戦することは不可避である」と述べた。

ロイター