• 国連の最高裁判所が、イスラエルとハマスの戦争がパレスチナ人に対するジェノサイド（大量虐殺）にあたるという南アフリカの主張に対する公聴会を開いている。
• 南アフリカは当初、国際司法裁判所に対し、イスラエルによるガザ地区での軍事攻撃の即時停止を命じている。

ハーグ：南アフリカは1月11日、国際司法裁判所に対し、イスラエルがパレスチナ市民に対するジェノサイドを行っているとして、イスラエルに対しガザでの軍事作戦の即時停止を命じるよう要請した。この要求は、国連最高裁判所において南アフリカがイスラエルを相手取って起こした裁判の初日の審理が終了した際に出された。イスラエルは金曜日に申し立てに応じる予定である。

イスラエルは11日、イスラエル軍が撤退を始めた北部地域に最初の住民が戻り、壊滅的な光景が残される中、世界法廷においてガザでの戦争におけるジェノサイドの非難に直面した。

イスラエル軍による3ヶ月間にわたる砲撃は、狭い海岸沿いの飛び地の大部分を荒廃させ、23,000人以上を殺害し、230万人のパレスチナのほぼ全住民を家から追い出した。イスラエルによる封鎖は、食料、燃料、医薬品の供給を大幅に制限し、国連が人道的大惨事と表現する事態を引き起こしている。

イスラエルは、自国を守る唯一の選択肢は、ガザを支配するイスラム主義グループ、ハマスの撲滅だと言っている。ハマスの戦闘員は、イスラエルの破壊を目的に、10月7日にイスラエルのコミュニティを襲撃し、1,200人を殺害、240人の人質を捕らえた。イスラエルは、ハマスが民間人に危害を及ぼしたと非難しているが、戦闘員たちはこれを否定している。

南アフリカがハーグの国際司法裁判所に提訴したこの裁判は、ホロコーストによるユダヤ人の大量殺戮をきっかけに制定され、そのような犯罪が二度と繰り返されないようにすることをすべての国に義務付けた、1948年のジェノサイド条約にイスラエルが違反していると非難している。

イスラエル政府の報道官エイロン・レヴィ氏は、この訴訟を、ユダヤ人が儀式のために赤ん坊を殺したと偽証する何世紀も前の反ユダヤ主義的陰謀論になぞらえた： 「プレトリアがハマス強姦政権に政治的・法的援護を与えている以上、イスラエルは国際司法裁判所に出廷し、南アフリカの不条理な血の名誉毀損を払拭する」

南アフリカは国際司法裁判所でガザ地区を強制収容所になぞらえる

南アフリカの弁護団を代表する弁護士が、ガザ地区を “大量虐殺が行われている強制収容所 “と呼んだ。

ジョン・ドゥガード弁護士は、11日に国際司法裁判所で、南アフリカはジェノサイドの罪でイスラエルを裁判にかける管轄権を有しているとの主張を展開している最中に、この発言をした。彼は2023年にシリル・ラマフォサ南アフリカ大統領が行った発言を繰り返した。

イスラエルのガザでの戦争をナチスの強制収容所と比較することは、ホロコーストで600万人が殺された後、自らをユダヤ人の安全保障の防波堤と考えているイスラエルの感情を揺さぶる可能性が高い。1948年のイスラエル建国に対する国際的な支持は、ナチスの残虐行為に対する怒りに深く根ざしている。

南アフリカは、イスラエルがガザ地区のハマスに対する戦争でジェノサイドを犯しているという判決を裁判所に求めている。イスラエルは、ハマスによる10月7日の致命的な攻撃を受けて、自衛のための戦争を戦っていると述べ、容疑を否認している。

南アフリカの弁護士、パレスチナ人は安全な行き場がないと世界法廷に訴える

南アフリカの弁護団の代表は、イスラエルの砲撃を受けているパレスチナ人には安全な行き場がないと述べた。

木曜日にハーグの国際司法裁判所で行われた演説で、アディラ・ハシム弁護士は、ガザのパレスチナ人は「避難場所、病院、学校、モスク、教会など、家の中で殺されている」と述べた。彼女は、パレスチナ人がイスラエルの避難命令に従わなかった場合だけでなく、イスラエルが指定した安全な通路に避難した場合も殺されていると述べた。

「殺害のレベルは非常に広範囲に及んでいるため、集団墓地に埋められた遺体が発見されても身元がわからないことが多い」とハシム氏は語った。

南アフリカは法廷で、イスラエルがガザのハマスに対する戦争でジェノサイドを犯していることを証明しようとしている。イスラエルは、ハマスによる10月7日の致命的な攻撃の後、自衛戦争で武装勢力と戦っているとして、この疑惑を激しく否定している。

ガザ地区南部の国連学校に避難しているアメール・サラーさん（23）は、ロイターの取材に対し、ガザ住民は、この事件がイスラエルに戦争を止めさせる国際的な圧力をもたらすことを期待していると語った。

「イスラエルは常に法の上にある国家です。アメリカが味方である限り、自分たちは罰せられないとわかっていたから、ガザであんなことをしているのです。今こそそれを変えるときです。私たちは南アフリカに敬意を表します。戦争を止めてほしいです」

今週の予備審問では、裁判所が本件の全容を調査する間、イスラエルに戦闘停止を命じるべきかどうかが検討される。

南アフリカ共和国のシリル・ラマフォサ大統領は、「ガザの人々が現在も殺戮の只中にいること、そして南アフリカ共和国自身のアパルトヘイト（人種隔離政策）の歴史に突き動かされ、この裁判を起こすに至った」と述べた。

米国は、イスラエルは民間人の犠牲を減らすためにもっと努力する必要があると述べたが、ジェノサイドの主張は “根拠がない “と述べた。

国務省のマット・ミラー報道官は、「実際、イスラエルを激しく攻撃しているのは、イスラエルの消滅とユダヤ人の大量殺戮を公然と呼びかけ続けている人々だ」と述べた。

ハマス幹部サミ・アブ・ズーリ氏はロイターに語った： 「我々は、裁判所があらゆる圧力を拒否し、イスラエルの占領を犯罪とし、ガザへの侵略を止める決定を下すよう強く求めます」

「正義の実現、裁判所の役割は実行されないとすると、占領がガザのパレスチナ人民に対する虐殺戦争を続けることを意味します。ガザは再建されなければ。われわれは死者を埋葬するのです」

新年以来、イスラエルは戦争の新たな局面を宣言し、10月に攻勢を開始したガザ地区の北半分の部隊の撤退を開始すると発表した。

それでも、イスラエルが先月地上作戦を拡大し、ほぼすべてのガザ住民が避難場所を求めている南部地域では、戦闘が激化する一方だ。イスラエル軍によれば、主な作戦は現在、南部最大の都市ハーン・ユーニスで行われているという。

北部は比較的静かであるため、少数の住民が消滅した都市に少しずつ戻り始めている。

フリージャーナリストのユセフ・ファレス氏は、かつて100万人近くが住んでいたガザ市の一部であった、焼け焦げた廃墟に囲まれた荒地を歩く自分の姿を撮影した。何人かの市民は、泥の上を横切る轍の上を自転車でふらふらしながら歩いていた。

「見える家々はすべて、完全に、あるいは部分的に破壊されています」

「私たちは今、100年以上前のタファ墓地にいるようです。イスラエル軍のブルドーザーと戦車に轢かれた。ガザ市のさまざまな地域から、子供たちの遺体を探しに人々が集まってきています」

ガザ市近郊に戻ったアブ・アイェシュさんは、ロイターの電話取材に対し、破壊は “地震のようだった “と語った。「私は（イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相に）ガザは再建され、私たちは家を建て、死者を埋葬するとはっきり宣言します」

ネタニヤフ首相：ガザを再占領するつもりはない

ワシントンは、自衛権によって正当化されるとしてイスラエルの軍事作戦を支持する一方で、同盟国に対し、戦争の規模を縮小し、民間人をもっと保護し、将来のパレスチナ独立国家への希望を維持するよう求めている。

今週、アントニー・ブリンケン国務長官はこの地域を訪れ、イスラエルとパレスチナの高官や近隣アラブ諸国の指導者たちと会談し、ハマス撲滅を目指すイスラエルのキャンペーンを擁護する一方、イスラエルを承認しているパレスチナ自治政府（PA）と協力するよう求めた。

イスラエルはその最終的な意図について曖昧にしているが、ガザの安全保障を無期限に支配したいのであり、イスラエル占領下のヨルダン川西岸地区で限定的な自治権を行使しているが2007年にハマスによってガザから追い出されたパレスチナ自治政府にガザを渡すつもりはないと言っている。

ネタニヤフ首相の連合政府の極右メンバーの中には、パレスチナ人がガザを去り、イスラエル人がガザに永住することを公然と求めている者もいる。ネタニヤフ首相はXへの投稿で、これはイスラエルの目的ではないと主張した。

「イスラエルはガザを永久に占領するつもりもなければ、市民を移住させるつもりもない。イスラエルはハマスのテロリストと戦っているのであって、パレスチナ住民と戦っているわけではない」

ロイター/AP