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イスラエル、開戦99日目もガザ攻撃を継続

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14 Jan 2024 02:01:37 GMT9
14 Jan 2024 02:01:37 GMT9
  • 米英軍が親ハマスのイエメンのフーシ派を攻撃したことで、紛争の拡大が懸念される
  • 国連人道問題調整事務所は改めてガザ停戦を訴え、国連に戦争終結への取り組みを促した

ガザ:イスラエルは開戦から99日目となった1月13日、深刻な人道危機にあるパレスチナの領土への攻撃を継続し、通信遮断を発生させた。

米英軍が親ハマスのイエメンのフーシ派に対し、紅海航路の攻撃への報復をおこなったことで、紛争の拡大が懸念される。米軍は13日にも空爆を実行した。

目撃証言によれば、イスラエルは早朝にガザを空爆した。12日にAFPのジャーナリストが伝えたところによると、空爆と砲撃はガザ地区南部のハーン・ユーニスとラファの中間に着弾した。北部からの避難民が密集している地域だ。

12日、イスラエルの攻撃によりガザ地区のインターネットと通信は全面的に遮断されたと、主要通信会社のパルテルは述べた。

「ガザは再び闇に包まれた」と、パルテルはソーシャルメディアプラットフォーム「X」に投稿した。

パレスチナ赤十字は、通信遮断によって「負傷者に迅速に処置を施す」ことがより困難になっていると投稿した。

保健省の最新の数字によると、イスラエルの容赦ない攻撃により、ガザ地区では少なくとも2万3708人が死亡した。大部分は女性や子どもたちだ。

戦争の発端は、10月7日にハマスが実行した前例のない越境攻撃だった。公式データに基づくAFPの推計によると、この攻撃によってイスラエルでは約1140人が死亡し、大部分は民間人だった。さらにハマスは約250人の人質を拉致した。

支援の妨害

国連人道問題調整事務所(OCHA)でパレスチナ領の占領問題を統括する責任者は12日、AFPの取材に応じ、イスラエルはガザ地区北部で継続的に人道支援物資の輸送を妨害していると述べた。

「かれらはきわめて組織的に、わたしたちが実施する病院への援助を止めていて、もはや非人道的というほかないレベルに達しています。わたしにはまったく理解できません」と、アンドレア・デ・ドメニコ氏は語った。

ガザ地区中部では、燃料不足からデイル・アルバラにあるアルアクサ殉教者病院の主力発電機が停止に追い込まれたと、保健省は発表した。

病院では、新たな犠牲者を収めた白い遺体袋のそばにパレスチナ人たちが集まるなか、1人がこう訴えた。「わたしたちを気にかける人はいるんですか? どうしてみんな黙っているんです?」

戦禍に見舞われるなか、エジプト国境に近いラファで、アフナンさんとムスタファさんは結婚式を挙げた。

「新郎が住むはずだった家は破壊されましたが、戦争に終わりが見えない今、二人は結婚したほうがいいと考えました」と、新郎の叔父のアイマン・シャムラフ氏はAFPに語った。

「わたしたちはみな同じ悲劇を生きています。それでも、わたしたちは生き続けなければならず、人生は続くのです」

新婦の父のモハメド・ゲブリール氏は、式を中止するつもりは毛頭なかったと話す。

「死、殺人、破壊のなかでも、わたしたちは人生を愛するのです」と、彼は言う。

イスラエル人の人質への医療

ベニヤミン・ネタニヤフ首相は12日、ガザ地区で依然として拘束されたままの人質に医薬品を届けるための交渉がカタールでおこなわれていることを明かした。

合意が成立すれば「テロ組織ハマスによりガザ地区で拘束されている人質への医薬品輸送が実現する」と、ネタニヤフ首相は声明で述べた。

イスラエルの政治団体「人質・行方不明家族フォーラム」が先日発表した報告書によると、人質の健康状態は悪化しており、持病をもつ人や怪我を負った人が少なくないという。

この交渉に詳しい外交官がAFPに語ったところによると、両サイドが医薬品の提供を認める意思を示しているという。

「仲介者は現在、合意をまとめる最終段階に」入っており、医薬品の種類や数量、輸送経路の状況などが話し合われていると、上記の外交官は語る。

ハマスに近い情報筋はAFPの取材に対し、医薬品の輸送について対話がおこなわれていることを認めたものの、交渉中と言及するにとどめた。

イスラエルは、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)が開戦100日を前にした声明のなかで、人質解放の訴えを繰り返さなかったことを批判した。

ジュネーブにあるOHCHRのイスラエル代表団は、「人質解放とハマスの非武装化を要求することなく停戦を訴えるのは、テロリズムの勝利を求めることと同義である」と述べた。

国連人権高等弁務官のフォルカー・トゥルク氏は、これまで繰り返し人質の解放を訴えてきた。

占領下にあるヨルダン川西岸地区では、イスラエル軍がユダヤ人入植地を攻撃した3人の戦闘員を殺害したと、軍が発表した。

発表によれば、ヘブロンの西20kmに位置するアドラ入植地に「テロリストの侵入」があり、兵士が銃撃を受けた。

兵士が付近を捜索した際、「3人の実行犯が特定され、治安部隊によって制圧された」という。

AFPの質問に対し、イスラエル軍は3人の実行犯が死亡したことを認めた。パレスチナのWAFA通信社によると、1人は19歳、あとの2人は16歳だったという。

ガザ地区での戦争勃発以来、占領下にあるヨルダン川西岸地区でも暴力事件が多発しており、ラマッラーの保健省によれば、少なくとも337人がイスラエル軍と入植者に殺害された。

AFP

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