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国連、ガザ地区の飢餓と致命的な病気を防ぐため、さらなる援助のアクセスを呼びかけ

イスラエル・ハマス戦争は勃発から100日目を迎え、食料、水、燃料、医療を手に入れるのに苦労しているガザ地区の240万人は、人道的大惨事に見舞われている。(ファイル / AP通信)
イスラエル・ハマス戦争は勃発から100日目を迎え、食料、水、燃料、医療を手に入れるのに苦労しているガザ地区の240万人は、人道的大惨事に見舞われている。(ファイル / AP通信)
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15 Jan 2024 11:01:40 GMT9
15 Jan 2024 11:01:40 GMT9
  • 現在、ガザ地区内およびその全域に十分な物資を届けられるかどうかは、補給ルートを開放し、毎日より多くのトラックが国境検査を通過できるかどうかにかかっている。

アラブニュース

ローマ / ジュネーブ / ニューヨーク:国連各機関は月曜日、ガザ地区での飢餓や致命的な病気の発生を防ぐため、より迅速かつ安全な援助のアクセスを呼びかけた。

アラブニュースが確認した声明によると、国連各機関は、飢餓のリスク増大に伴い、「ガザ地区への人道援助の流れにおいて、根本的な手順の変更が緊急に必要である」と警告した。

世界食糧計画(WFP)、ユニセフ、世界保健機関(WHO)は、現在、ガザ地区内およびその全域に十分な物資を届けられるかどうかは、補給ルートを開放し、毎日より多くのトラックが国境検査を通過できるかどうかにかかっていると述べた。

各機関は、人道支援従事者の移動制限の緩和、ならびに援助物資を利用・配布する人々の安全の保証を求めた。

「食料を生産したり輸入したりする術がないため、ガザ地区の全住民は援助に頼って生きている。しかし、人道援助だけではガザ地区の人々の根本的なニーズを満たすことはできない」

「国連、国際援助機関、非政府組織はこれまで、非常に困難な状況のなか、ガザ地区で限定的な人道支援を実施してきたが、その量は飢餓、栄養失調、疾病の致命的な組み合わせを防ぐのに必要な量にははるかに及ばない」と声明には書かれていた。

包囲されたガザ地区の北部地域では、食料、きれいな水、医療支援の深刻な不足に陥っていると付け加えられていた。

WFPのシンディ・マケイン事務局長は、「ガザ地区の人々は、食料満載のトラックからわずか数マイルのところで飢え死にする危険がある。一時間無駄にするたびに、数え切れないほどの命が危険にさらされる。私たちが飢餓を食い止めることができるのは、十分な物資を届け、それを必要としているすべての人が、どこにいようが安全に手に入れられる場合に限られる」と語った。

最新の総合的食糧安全保障・栄養レベル分類の報告書では、ガザ地区の全人口(約220万人)が危機、あるいはそれより深刻なレベルの急性食料不安に陥っていることが判明した。

この報告書では、ガザ地区のほぼすべてのパレスチナ人が毎日食事を抜いており、多くの大人が子どもたちに食事を与えるために空腹に陥っているとし、この状況が続けば飢餓が発生すると警告している。

WFPは10月7日からガザ地区内で毎日食料を提供しており、12月には90万人以上に食料支援を届けた。

そのためには、安全な配給場所を見つけること、製パン所に小麦粉を供給して生産を再開すること、子どもたちが栄養失調と闘うのを助ける特別な栄養補助食品を配布することなど、現地のパートナーと協力して運営する新しいやり方が必要となった。

木曜日、WFPの食糧輸送団は人道活動停止後初めてガザ地区北部に入り、約8,000人分の物資を届けた。

また、今回の紛争により、必要不可欠な水、衛生、医療インフラやサービスが損傷を受けたり破壊されたりし、重度の栄養失調や感染症の発生に対応する人道支援従事者の能力が制限されている。

高いリスクを抱える子どもたち

ユニセフは、ガザ地区の5歳未満の子ども33万5,000人が特に弱い立場にあることから、今後数週間で子どもの栄養失調のうち最も危険な急性栄養不良が、危機前の状況からほぼ30パーセント増加し、最大1万人の子どもに影響が及ぶ可能性があると予測した。

ユニセフのキャサリン・ラッセル事務局長は、「栄養失調や病気で死亡するリスクが高い子どもたちは、医療、きれいな水、衛生サービスを切実に必要としているが、助けを必要とする子どもたちや家族に安全に接触することができない現地の状況になっている。修復して給水を増やすために私たちが切実に必要としている資材の一部は、依然としてガザ地区への搬入が制限されている。子どもたちとその家族の命は危険にさらされている。一刻を争う」と話した。

11月以降、ガザ地区南部の子どもたちは、1日あたり1.5~2リットルの水しか手に入れることができておらず、生存に推奨されるレベルを大幅に下回っているとユニセフは警告してきた。この問題に対処するために、ユニセフとそのパートナーは130万人以上に安全な飲料水を提供してきたが、絶望的な状況に対処するにはさらに多くの水が必要である。

国連各機関は、ガザ地区に近い稼働中の港と北部への国境検問所を使用するためのイスラエルの許可が、大いに必要とされていると述べた。

北へ約40キロのアシュドッド港を利用できれば、これまでほとんど物資を届けることができなかった、深刻な被害を受けたガザ地区北部地域に、ずっと多くの援助物資を直接届けることができるようになるだろう。

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