
ベイルート:シリアの地元メディアや紛争を追跡している監視団によると、ヨルダンによるシリア南部空爆の疑いがあり、18日未明に子どもを含む10人が死亡。
ヨルダン当局からのコメントはない。
先月、親イランの民兵組織とのつながりが疑われる数十人が、武器や爆発物とともに大量の麻薬を持ってシリアとの国境を越えたことから、ヨルダン軍はここ数週間、麻薬密売人の取り締まり運動を強化している。
地元メディアのシャムF.M.は、ヨルダンの空爆が南部のスワイダー県Armanの民家2軒を襲い、死者が出たと報じた。
同県の情勢を監視しているシリアのニュースポータル、スワイダー24は、ヨルダンとの国境に近い同県南東部のArmanの住宅地を一夜にして同時空爆したと伝えた。
空爆で10人の民間人(子ども2人、女性5人、男性3人)が死亡したと報じたが、ヨルダンによる空爆とは断定していない。
シリアの戦争を追跡調査している戦争監視団体、シリア人権監視団は、ヨルダンによるスワイダー攻撃で子ども2人を含む少なくとも9人が死亡したと発表。
ヨルダンと西側の同盟国は密輸の急増を、レバノンを拠点としてイランの支援を受けるヒズボラや、シリア南部の大部分を支配するその他の親イラン派組織の責任であると非難している。
イランとヒズボラは、この疑惑を欧米諸国が同盟国シリアに仕掛けた陰謀と退け、麻薬の製造や密輸への関与も否定。
欧米の麻薬対策当局によれば、戦争で荒廃した中東のヨルダンは、数十億ドル規模の麻薬取引の主要拠点となっており、カプタゴンとして知られるシリア製アンフェタミンが石油資源に恵まれた湾岸諸国へ向かう重要な中継ルートとなっているという。
ロイター