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ヒズボラ、イスラエルによる直近の停戦提案を拒否

2024年1月22日、イスラエルとパレスチナ武装組織ハマスがガザで戦闘を続けており国境を越えた緊張が高まる中、イスラエル軍の空爆で同国との国境にあるレバノン南部のシヒネ村では煙が立ち込めている。(AFP)
2024年1月22日、イスラエルとパレスチナ武装組織ハマスがガザで戦闘を続けており国境を越えた緊張が高まる中、イスラエル軍の空爆で同国との国境にあるレバノン南部のシヒネ村では煙が立ち込めている。(AFP)
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23 Jan 2024 08:01:29 GMT9
23 Jan 2024 08:01:29 GMT9
  • イスラエル軍の爆撃で損壊する民家がさらに増え、また、ヒズボラのメンバーの葬儀が行われている付近で同国軍がリン弾を発射したと報じられた

ナジャ・フーサリ

ベイルート:ヒズボラは22日、レバノン南部戦線での軍事作戦を停止するというイスラエルの提案を拒否した。

ヒズボラ所属議員のハッサン・ファドララ氏は、「これは選択肢が一つしかない戦争だから、敵が何を提案しようとも意思決定の方程式が変わることはない」と述べた。

「イスラエルのガザ侵攻を阻止することが、他の問題の話し合いにつながるのであり、これ以外の選択肢はない」

レバノン南部の国境沿いで暴力の応酬が続き、停戦に同意するようヒズボラに対するイスラエルが圧力をかけ続ける中、ヒズボラの基本姿勢が改めて示された形だ。

以前の提案では、ヒズボラのラドワン部隊を国境から少なくとも7キロ移転させ、レバノン軍と国連レバノン暫定軍が管理する準緩衝地帯を設置するよう求めていた。それと引き換えに、海上の国境画定プロセスと同様に、米国が陸上の国境画定を保証するとした。これは、ガザの動向とは無関係に行われると想定されていた。

イスラエルとヒズボラの対立が本格的な戦争に発展するのを防ぐため、米国と欧州の外交官もレバノンを訪問している。

ファドララ議員は、イスラエルは「民間の建造物や家屋を標的にし、北と南の間の住民移動のバランスを押し付けようとしたり、我々に大規模戦争のリスクで脅したりすることで、様々なやり方で威嚇やメッセージを送っている」と述べた。

「しかし、我々はどんな事態が発生しても対応できるよう、万全の備えをしている。我々は、我が国、レジスタンス、そして国民にとって勝利こそが最終的な結果になると信じている」。

ファドララ議員は、国境の町ビント・ジュベイルで、イスラエル軍の無人機攻撃の標的のそばを彼女の乗った車が通りかかった際に死亡した民間人、サマル・アル=サイイド・モハメドさんの葬儀に参列したと述べた。彼女の息子はこの攻撃で負傷し、ヒズボラのメンバーであるファドル・アル=シャール氏も死亡した。

ファドララ議員は、ヒズボラは「理由を問わず、民間人に対するいかなる危害も容認しないし、レバノンの民間人に対する全攻撃に対して必ず報復する」と述べた。

イスラエル軍による暗殺は「レジスタンスの決意を弱めることはない」とも付け加えた。

21日、イェディオト・アハロノト紙は、イスラエル軍の上級将校の言葉を引用し、米国当局者と連携して、軍司令官はイスラエル北部における48時間の停戦を提案したと伝えた。しかし、ヒズボラが停戦を破った場合、特に民間人を標的にした場合、レバノン南部で強硬な対応がとられることになると話した。イスラエルの政治家は、このような提案の存在をまだ認めていない。

22日朝、イスラエル軍は、マルーン・アル=ラス、アイタルーン、ヤリン、およびアル=ブスタンの郊外、それにマルジャユーン平野を砲撃の標的にした。

イスラエル軍は、ヒズボラのメンバーであるサメ・アサード氏の葬儀の最中に、カフルキラ郊外のアダイセの町に向けてリン弾を発射したと報じられた。同国軍はまた、タイベ近郊で多数の砲弾を発射し、フラ郊外を標的にした。

イスラエル軍機の空爆により、テイル・ハルファの民間建造物であるヤギ家の家屋が大きな被害を受けた。市民防衛センター近くのタイベと、マルワヒンでも空爆が行われた。

イスラエル軍は、フラ、メイズ・アル=ジャバル、デイル・ミマス郊外の標的を砲撃した。さらに、アル=ワザニの町郊外の農業団地にある住宅にイスラエルの無人機からミサイルが発射されたが、負傷者は報告されていない。

一方、ヒズボラは「アル=ラヘブ軍事施設付近にいるイスラエル兵の集団を直撃した」と述べた。同組織はさらに、「21日の夜、ザリット兵舎付近でイスラエル軍にミサイル攻撃を行い、死傷者を確認した」とも語った。ヒズボラによれば、イスラエル軍はレバノン領内での軍事作戦実行の準備をしていたという。

同組織は、メンバーの一人であるタイベ出身のアリ・サイード・ヤフヤが殺害されたと発表した。また、レバノンにおけるハマスの軍事部門であるアル=カッサーム旅団は、シドンの近くにあるミエ・ミエ・パレスチナ難民キャンプ出身のモハメド・バッセム・アッザムが「レバノン南部での任務中に殉教した」と述べた。

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