エルサレム:カタールは24日、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相がリークされた録音の中でカタールには「問題がある」と発言したとされる件を受けて、ガザの紛争におけるカタールの仲介を巡るイスラエル首相の発言に「愕然としている」と述べた。
カタール外務省のマジド・アル・アンサリ報道官は、「さまざまなメディアで報道されている、イスラエル首相のものとされるカタールの仲介役を巡る発言に愕然としている」と述べた。
「報道された発言が本当であるとすれば、イスラエル首相は、イスラエル人の人質を含む無実の人々の命を救うことを優先せずに、自らの政治キャリアのために利用しているように思われ、ただ仲介のプロセスを妨害し損なうことになるだろう」と同氏は述べた。
23日にイスラエルのチャンネル12のニュースで放映された人質家族との面会時の録音がリークされた。ネタニヤフ首相はその録音の中で、カタールには「問題がある」と言っている。
「私がカタールに感謝しているところ、見たことありませんよね。気づいていましたか、私がカタールに感謝していないこと。理由ですか。それは、私にとってカタールは本質的に国連や赤十字と何ら変わらず、ある意味でもっと問題が多い。彼ら(人質)を国に連れ戻すために協力してくれる仲介役にすぐにでもお願いするつもりです」
イスラエル政府の報道官はカタールの声明について、またリークされた録音が本物かどうかについて、現時点でコメントを出していない。
複数のハマスの政治的指導者が拠点を置くカタールは、今回の紛争においてガザを支配する勢力とイスラエル当局者の間を取り持つ中心的な仲介役を果たしている。
カタールは11月、7日間の戦闘休止の実現を支援した。この間にイスラエルで拘束されていたパレスチナ人240人の解放と引き換えに、イスラエル人と外国人の人質110人がガザから解放された。
ネタニヤフ首相は録音の中で続けて、カタールがハマスに資金を提供しているため、ハマスに対して影響力を持っていると言っている。
また、カタールの基地における米軍の駐留延長の協定が更新されたことについて、先日「米国にものすごく腹が立った」と人質家族に語っていた。
カタールの報道官は次のような声明を発表した。「我々は、ネタニヤフ首相がカタールと米国の戦略的関係を懸念するのではなく、誠実に行動し、人質解放に集中するよう望んでいる」
ロイター