
リヤド:国際的なイスラム組織やアラブ諸国等は、国際司法裁判所(ICJ)の予備判決を歓迎した。本予備判決では、ハーグに本部を置くICJが、ガザのパレスチナ人に対するイスラエルの侵略行為を明白に非難している。
南アフリカが提訴した本裁判で、同国が求めていたイスラエルの作戦停止を命じるには至らなかったが、17名からなるICJパネルの過半数は、イスラエルに対して軍事攻撃による死者や被害を抑える努力をするよう要求した。
湾岸協力理事会(GCC)のジャセム・モハマド・アルブダイウィ事務総長は声明で、「ICJの判決は、罪のない民間人の保護に関連する国際法や条約に沿ったものだ」と述べた。
アルブダイウィ氏は、イスラエルはジェノサイド犯罪の防止と処罰に関する条約に違反していると述べた。「民間施設や病院を標的にしたため、ガザ地区では何万人もの罪のない市民が殺害され、負傷した」。
26日の時点で、イスラエルの攻撃により2万6000人以上のパレスチナ人が死亡し、ガザの大部分が破壊され、ガザ保健当局によれば、住民230万人のうち85パーセント近くが家から逃れざるを得なかった。
世界57カ国のイスラム諸国が加盟するイスラム協力機構(OIC)は、今回の判決は「ガザ地区のパレスチナ人に対する更なる大量虐殺行為や発言を防止しようとするものだ」と強調した。
OICは声明の中で、全関係者に「イスラエルがICJ判決を完全かつ即座に遵守することを保証するよう」求めた。
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また、国際社会に対し、「パレスチナの人々を保護する責任を果たす」よう求めた。
マッカを本拠とするムスリム世界連盟(MWL)も別の声明で、戦争と破壊を止め、ガザの罪のない市民の保護を確保し、ガザに人道支援を届けるためには、国際社会の継続的な取り組みが必要だと強調した。
本ICJ判決は暫定的なものにすぎず、南アフリカが提訴した裁判の全容が明らかになるまでには何年もかかるだろう、とアナリストは言う。
イスラエルは本判決を拒否し、ベンヤミン・ネタニヤフ首相は戦争を続行すると誓った。「我が国を守り、国民を守るために必要なことをやり続ける」と同首相はテレビで語った。
イスラエル政府関係者はICJパネルに対し、同国の攻撃はハマス過激派を追撃するためであり、パレスチナ人全体を攻撃するためのものではないと述べた。
イスラエルの攻撃は、10月27日のいわゆる「アル・アクサの洪水」への反撃として始まった。この攻撃では、約3000人のハマスの武装集団がガザ・イスラエル間の障壁を突破し、国境沿いのイスラエル人コミュニティーや軍事基地を攻撃した。
イスラエル当局は、この攻撃による死傷者数を、766人の一般市民と373人の治安部隊を含む、1139人のイスラエル人と外国人だと発表した。
また、ハマス武装集団は、約250人の民間人と軍人を人質に取ったが、そのうちの何人かはイスラエル南部での音楽祭に参加するために来訪した外国人で、残りは契約労働者だった。