
パレスチナ領ガザ地区:イスラエル軍は9日、数週間にわたり包囲していたガザ地区南部のハーン・ユーニスにある病院を襲撃したと、病院を運営するパレスチナ赤新月社(PRCS)は発表した。
「占領(イスラエル)軍はアルアマル病院に突入し、捜索を開始した。病院内の職員との連絡は困難になっている」と、PRCSは声明で述べた。
イスラエル軍は部隊が作戦を展開中であることを認めた。
イスラエル軍はAFPの取材に対し、「ハーン・ユーニスのアルアマル病院でハマスがテロ活動を実施しているとの情報に基づき、病院の近郊でテロリストを発見し、テロ組織のインフラを破壊する精密掃討作戦を展開した」と述べた。
アルアマル病院はイスラエル軍とハマス戦闘員の激しい戦闘に巻き込まれ、赤新月社の報告によれば、木曜日の時点で病院の周囲では「激しい砲撃や銃撃」が続いていた。
パレスチナ赤新月社はここ数日、病院では酸素、医薬品、電力供給のための燃料の不足が深刻だとして、支援物資や保護の提供をたびたび訴えてきた。
今週前半、赤新月社はアルアマル病院および近郊のハーン・ユーニスの赤新月社本部に避難していた約8000人の退避が完了したと発表した。
赤新月社が公開した動画には、高齢女性を病院のベッドに乗せ、損壊の著しい通りを押して歩く医療関係者の姿が収められている。
5日のPRCSの発表によれば、退避のあとも約40人の避難民、80人の患者、100人の職員が病院に残っているという。
病院は戦時国際法において特別保護を保障されているが、ガザ地区では過去4カ月間にわたり繰り返し攻撃にさらされている。
国連は7日、パレスチナ領にはもはや十分に機能する病院は残されていないと述べ、3分の1強が限られた機能を維持しているのみだとした。
ガザ戦争における負傷者は6万7000人を超え、医療機関は膨大な数の負傷者に圧倒されている。
イスラエルの陸・海・空からの容赦ない攻撃により、ハマスが支配するガザ地区の保健省によれば、少なくとも2万7947人が死亡し、犠牲者のほとんどは女性と子どもだった。
戦争の発端となった、10月7日のハマス戦闘員によるイスラエルへの前例のない越境攻撃では、イスラエルの公式データに基づくAFPの集計によると、約1160人が死亡し、犠牲者の大部分が民間人だった。
AFP