
・エジプト政府の決定は論議を呼んでいる
・コンサート、パーティ、祝祭、誕生日会、展示会、フェスティバルなどすべてが中止される
モハメッド・アル・シャマ
カイロ:エジプトは命に関わるコロナウイルスの拡大を食い止めるため、すべての大規模な行事、集会を中止する。
エジプト政府の決定は、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の感染者の記録が60人で、これまで死者が1人出ている同国で議論を巻き起こしている。
今後通達かあるまで、コンサート、パーティ、祝祭、誕生日会、展示会、フェスティバルはすべて中止すると当局者は発表したが、学校や大学の閉鎖の動きはまだない。
ルクソール・アフリカ映画祭の司会者、台本作家のサイード・フアッド氏は、政府の決定を最初に実行した一人だった。
映画祭の理事会は大規模なパフォーマンスの取り止めには同意したが、大勢の観客から離れたホールで行う裁定委員会、批評家、ジャーナリスト向けの映画上映など、専門的活動は続ける。
声明の中でフアッド氏は、上エジプトのルクソールに近いカルナックにある文化宮殿、カンファレンス・ホール、エジプト公共図書館での一般上映は中止されたと述べ、映画祭の審査員は二つのホテルで映画を鑑賞し、結果は後で発表されると付け加えた。
その他には、カレド・アブデル・アール氏が知事を務めるカイロ県が、3月12~14日に予定されていた雇用フォーラムを延期し、スーフィー教団最高評議会のアブデル・ハディ・アル・カサビ団長は、住民の健康を守るため宗教儀式を中止すると発表した。
預言者ムハンマドの孫娘にあたるサイイダ・ザイナブの誕生を祝う儀式は今週行われるはずだったが、評議会がウイルスの急激な発生を懸念し中止した。
青少年スポーツ省のモハメド・ファウジ報道官は、サッカーリーグ戦などエジプトでのスポーツ競技は観客無しで行われると述べた。
ハッサン・エル・サイード下院議員は、政府の決定を賞賛し、コロナウイルスの感染防止に役立つと述べた。また、学校や大学でのCOVID-19の拡大に対処できそうな必要な措置をとるべきだとエジプト教育省に助言した。
しかし、政府はあらゆるレベルの教育の場で授業を中止すべきだと言う声がエジプト人から多く上がってきている。
「コロナウイルスによる授業の中止についてのすべての疑問は、ソーシャルメディアの誤用や噂の拡散によるものだ」と、タリク・ショーキー教育相は述べた。
「教育の中止などの決定は、当局者からの発表がなければ下すことはできないし、生徒は今年必要な学業内容を修了せずに次の学年に進むことはない。」
ショーキー氏は、エジプトと、ウイルスにより教育を中止している他国を比較するのは非科学的だと指摘し、エジプトは学校や高等教育機関の2,500万人の生徒の間でウイルス感染患者は一人も記録していないと指摘した。
エジプトで報告されたコロナウイルス感染者60人のうち、45人はルクソールのナイル川クルーズ船に乗船していた。ドイツ人観光客1人が死亡した。