ベネチア: 日本のカルト映画監督、北野武は金曜日、自身の新作がベネチアでプレミア上映されることに「少し恥ずかしい」と語り、権威ある映画祭で見られるとは思っていなかったと説明した。
「ブロークン・レイジ』はTVストリーマーのアマゾンの依頼で製作され、北野監督が監督・脚本・主演を務めた1時間弱の作品だ。
この作品は、彼のコミックの原点に立ち返ったもので、最初はギャングたちの暴力が炸裂するが、やがてドタバタのユーモアに変わっていく。
「このような映画祭で上映されるとは思っていませんでした」と北野監督は記者会見で語った。「もっと真剣にやるべきだった。」と通訳を介して付け加えた。
北野監督(77歳)は映画祭の寵児であり、1997年には『花火』でベネチア国際映画祭最高の栄誉である金獅子賞を受賞している。前作『首』は血しぶきが飛び散る侍の物語で、昨年のカンヌ国際映画祭で上映された。
ヨーロッパでの成功により、保守的な祖国でも認められるようになったと記者団に語った。
「日本では、まだ伝統的な考え方や保守的なアプローチがあります。だから、国際映画祭に参加することを楽しんでいます」と、紫がかった髪の彼は言った。
伝統的な映画製作の型にはまらず、『ブロークン・レイジ』では、ソーシャルメディアのチャットが短い幕間に挿入され、人々がリアルタイムで映画にコメントしている。
北野監督は、ベネチアで腹を抱えて笑われたこの早口の投稿が、映画を盛り上げ、また前後編をつなぐのに役立ったと語った。
「シーンを変えるなどして、いくつかのギャップを埋める方法なんです」
「アイデアは良かったのですが、作品の長さを決める際に、ちょっと間違っていたようです。とても長い映画になると思っていたのに、かなり短い映画になってしまった」
浅野忠信と大森南朋も出演する『ブロークン・レイジ』は、土曜日に閉幕するベネチア国際映画祭のコンペティション部門とは別に上映される。
ロイター