ウィルミントン:ホワイトハウスによると、ジョー・バイデン米大統領は11日、ベンヤミン・ネタニヤフ首相に対し、イスラエルはラファに避難している約100万人の安全を確保する計画なしに現地で軍事作戦を進めるべきではないと述べた。
バイデン氏がネタニヤフ首相と電話会談したのは、氏がガザ地区におけるイスラエルの軍事的対応は「度を越している」と記者団に語った数日後のことで、パレスチナの飛び地における民間人死者の増加に対する懸念といら立ちの高まりを反映したものだ。
ホワイトハウスは声明で、米大統領はハマスの敗北とイスラエルの長期的な安全保障という共通の目標を再確認したが、同時に、ガザに閉じ込められているパレスチナ市民への人道援助の量と一貫性を高めるため、「緊急かつ具体的な措置」を求めたと述べた。
援助機関は、エジプトとの国境に位置するガザ南部のラファへの攻撃は壊滅的なものになるだろうと述べている。イスラエル軍は、過去にガザの都市を攻撃する前に市民に南へ避難するよう命じたが、現在は逃げ場がなく、援助機関は多くの人々が死ぬ可能性があると述べている。
ホワイトハウスによれば、バイデン氏は「ラファに避難している100万人以上の人々の安全と支援を確保する確実な計画がない限り、現地で軍事作戦を進めるべきではないという見解を再確認した」という。
また、ホワイトハウスによれば、両首脳は10月7日のイスラム武装組織によるイスラエル攻撃でハマスに捕らわれた人質の残り全員の解放に向けた現在の取り組みについても話し合った。
「大統領は、人質全員の解放をできるだけ早く実現するため、交渉を進展させる必要性を強調した」とホワイトハウスは述べた。
また、バイデン氏とネタニヤフ氏は今後も緊密に連絡を取り合うことに合意したと付け加えた。
ハマスが運営するアクサ・テレビジョンは日曜、ハマス幹部の発言を引用し、イスラエルがラファで地上攻撃を行なえば、人質交換交渉は「吹き飛ぶ」だろうと伝えた。
イスラエル首相府は、ラファから人々を避難させ、同国によればそこに配備されているハマスの4個大隊を壊滅させる計画を立てるよう軍に命じたと述べた。
「度を越している」
バイデン氏は木曜に、ハマスに対するイスラエルの軍事的対応は「度を越している」と、28,000人以上のパレスチナ人が死亡した紛争について最も批判的なコメントを行ったが、日曜の同氏とネタニヤフ氏の電話会談はそれ以来初めてのものとなった。
デラウェア州ウィルミントンの自宅で週末を過ごしていた米大統領は、日曜の朝、ネタニヤフ氏と話をしたとホワイトハウス当局者が語った。
この電話会談前、日曜の「フォックス・ニュース・サンデー」でネタニヤフ氏は、バイデン氏の「度を越している」発言以来バイデン氏とは話をしておらず、バイデン氏が何を言いたかったのかわからないと語っていた。
日曜に放送されたABCの番組「ディス・ウィーク」のインタビューで、ガザで拘束されているイスラエル人の人質のうち何人が生存しているかと聞かれたネタニヤフ氏は、「我々が行っている努力を正当化するのに十分な人数だ」と答えた。
ハマスが運営するガザの保健当局は、10月に紛争が始まって以来、民間人を中心に28,000人以上のパレスチナ人が死亡したと推定している。
パレスチナ保健当局によると、犠牲者の約70%は女性か18歳以下の子供だという。世界保健機関は、パレスチナ保健省の死傷者報告システムを「非常に優れている」と評価しており、国連機関も通常、その死者数を引用している。
ハマス武装勢力は、紛争の引き金となった10月の攻撃で1,200人のイスラエル人を殺害し、約250人の人質をガザに連れ去った。
ロイター