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WHO、ガザ地区の病院からの2度目の退避を戦闘が継続する中完了

ハーン・ユーニスにあるガザ地区で2番目に大きいナセル病院は、イスラエルに1週間にわたって包囲されその後強制捜索を受け、2月第3週に機能停止に至った。(ロイター通信)
ハーン・ユーニスにあるガザ地区で2番目に大きいナセル病院は、イスラエルに1週間にわたって包囲されその後強制捜索を受け、2月第3週に機能停止に至った。(ロイター通信)
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21 Feb 2024 04:02:23 GMT9
21 Feb 2024 04:02:23 GMT9
  • WHOの職員と他の援助団体は、負傷した子供や麻痺のある患者を含む合計32人の重篤患者をこれまでに退避させた

ジュネーブ:世界保健機関は、2月20日、ガザ地区のナセル病院から2度目の退避ミッションを完了したと発表すると同時に、戦闘が継続する中で現場に依然残されている150人近くの患者と医療従事者について懸念を表明した。

ハーン・ユーニスにあるガザ地区で2番目に大きいナセル病院は、イスラエルに1週間にわたって包囲されその後強制捜索を受け、2月第3週に機能停止に至った。WHOの職員と他の援助団体は、負傷した子供や麻痺のある患者を含む合計32人の重篤患者をこれまでに退避させているが、WHOは物資が目減りする中、依然として現地に取り残されている患者たちについて懸念している。

「WHOはナセル病院に残っている患者と医療従事者の安全と健康状態を懸念しています。病人や負傷者の救命医療行為の中断がこれ以上継続された場合の死亡者数のさらなる増加についてWHOは警告します」と、WHOはソーシャルメディアサイトのXで述べた。130人の患者と15人の医師が、ナセル病院に残っている人々の中に含まれていることもWHOは明らかにした。

2007年以来ガザ地区を支配下に置いているイスラム主義組織ハマスは病院を偽装として利用していると、イスラエルは主張している。ハマス側は、これを否定し、イスラエルの主張はガザ地区の医療システムを破壊する口実だと反論している。

WHOのタリク・ジャサレビッチ氏は、ジュネーブで記者たちに対して、ナセル病院で救助活動を行ったWHOの職員たちは、銃撃戦が行われている最中、懐中電灯を手に患者たちを見つけるために漆黒の闇と化した廊下を探し回らなければならなかったと語った。

ナセル病院近くに深いぬかるんだ溝があって車両による通行が不可能だったため、救助活動を行ったWHO職員たちは徒歩でナセル病院に辿り着かなければならなかったと、WHOは述べた。

「人々がただ切り捨てられる、こうした光景を目にするのはとても辛いことです」と、ジャサレビッチ氏は語り、ナセル病院では食料が供給不足となっていたことも明らかにした。「医療施設において適切な治療を受けられない人々がいるという目前の事実に、胸が張り裂けるような思いがします」と、ジャサレビッチ氏は語った。

WHOによると、残りの患者を移送する取り組みが継続しているという。ナセル病院では電力も水道も断たれており、医療廃棄物やゴミが「病気の温床となって」いると、WHOは付言した。

ガザ地区の保健当局は、ナセル病院の状況は「壊滅的な段階」に達しており、イスラエル軍がナセル病院を事実上「軍の兵舎」に変えてしまったと述べた。

同保健当局によると、ナセル病院では燃料や酸素の不足を主な要因として、既に少なくとも8人の患者が死亡しているという。同保健当局は、2月20日時点でのナセル病院の状況を「壊滅的」と表現し、依然として現地に残っている人々の生命は危機に瀕していると述べた。

4ヶ月以上継続しているこの戦争は、2023年10月7日にハマスがイスラエル南部を襲撃したことによって引き起こされた。イスラエルによると、この襲撃により、1,200人が殺害され、253人が拉致されて人質となった。

ハマスの殲滅を図るイスラエルは、空と地上からの攻撃で報復した。ガザ地区の保健省の集計では、死亡したパレスチナ人は29,195人、負傷者は69,000人以上だという。

今回の戦争によって、ガザ地区の全人口230万人の大部分が退避を余儀なくされた。その内の100万人以上は、現在、ガザ地区南端部のエジプトとの境界線沿いで、国連の避難所内、または、仮設テントや段ボール箱で生活している。

ロイター

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