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死んだ馬、生ゴミ、落ち葉: ガザの飢餓は絶望的に

イスラエルとハマスの紛争が続く中、ガザ地区北部のジャバリア難民キャンプで、破壊された家屋の前を歩くパレスチナ人。2024年2月22日撮影。(ロイター)
イスラエルとハマスの紛争が続く中、ガザ地区北部のジャバリア難民キャンプで、破壊された家屋の前を歩くパレスチナ人。2024年2月22日撮影。(ロイター)
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25 Feb 2024 01:02:03 GMT9
25 Feb 2024 01:02:03 GMT9
  • 食料は底をついており、空爆のため援助機関は現地に入ることができない

ガザ地区:ガザ北部のジャバリア難民キャンプで、アブ・ジブリルさんは家族を養うための食糧に困窮し、飼い馬2頭を屠殺した。

「子供たちを養うためには、馬を屠殺するしかありませんでした。飢餓で死にそうです」と同氏は語った。

ジャバリアは戦前、パレスチナ自治区最大のキャンプだった。戦争は、ハマスの戦闘員が10月7日にイスラエル南部を襲撃し、イスラエルの数字によれば約1,160人が殺害されたことを受けて始まった。

紛争が勃発したとき、ジブリルさん(60)は、近隣のベイト・ハヌンから逃れてきた。ジブリルさんとその家族は現在、国連がかつて運営していた学校のそばのテントで暮らしている。

1948年に設置された広さわずか1.4㎢の人口密度の高いキャンプでは、汚染水、停電、過密状態がすでに問題になっていた。

イスラエルとハマスの紛争が続く中、避難先の学校で焚き火を使って調理するパレスチナ人夫婦。2024年2月22日、ガザ地区北部のジャバリア難民キャンプで撮影。 (ロイター)

10万人を超える難民の間では、高い失業率からくる貧困も問題となっている。

現在、食糧は底をついているが、援助機関は爆撃のためにこの地域に入ることができず、通り抜けようとする数台のトラックは狂乱的な略奪にさらされている。

世界食糧計画(WFP)は今週、同機関のチームが「前例のないレベルの絶望」を報告したと述べ、国連は220万人が飢饉に瀕していると警告した。

23日、ハマスが統治するガザ地区の保健省は、ジャバリアから7km離れたガザ市の病院で、生後2ヶ月の乳児が栄養失調で死亡したと発表した。

イスラエルと武装組織ハマスの紛争が続く中、ボランティアによって配給された赤レンズ豆のスープを運ぶ避難民の子供。2024年2月18日、ガザ地区南部のラファで撮影。(AFP)

キャンプでは、寝たきりの子供たちが、プラスチックの容器やボロボロの調理鍋を手に、わずかな食料を期待して待っている。

物資が減少する中、価格は上昇している。たとえば、米1kgは7シェケル(1ドル90セント)から55シェケルに高騰していると、ある男性は不満を漏らす。

「大人はまだ何とかやっていけますが、4、5歳の子供たちが、空腹で眠り、空腹で目覚めなければならないなんて、子供たちが何か悪いことをしたとでもいうのでしょうか」と同男性は怒りをあらわにした。

国連児童基金(UNICEF)は、憂慮すべき食糧不足、栄養失調の急増、そして病気によって、ガザでは子供の死が「爆発的」に増加する恐れがあると警告している。

UNICEFは2月19日、ガザの2歳未満の子供の6人に1人が、急性栄養失調に陥っていると推定した。

住民たちは、増してゆく飢えをしのごうと、腐ったトウモロコシや、人間が食べるには適さない家畜の飼料、木の葉などを拾い集めて食べている。

「食料はありません。小麦も飲料水もありません」とある女性は言う。

「近所の人にお金をねだるようになりました。家には1シェケルもありません。ドアをノックしても、誰もお金をくれません」

ジャバリアでは、食糧不足とその結果に対する怒りが高まっている。23日には、数十人が即席の抗議デモを行なった。

ある子供は「私たちは空爆で死んだわけではないが、飢えで死のうとしている」と書かれた看板を掲げた。

別の人は「飢餓が私たちの肉体を蝕んでいる」と警告するプラカードを掲げ、デモ参加者らは「飢餓にノー、ジェノサイド反対。封鎖反対」と声を上げた。

ジブリルさんはベイト・ハヌンで、2頭の馬を使って一区画の土地で収穫を行なっていた。しかし、紛争によってその土地は家とともに破壊され、何も残らなかった。数週間から数か月にわたるイスラエルの執拗な砲撃によって、ガザの大部分は粉砕されたコンクリートと人命が残る場所になった。

ジブリルさんは飼い馬を屠殺し、その肉を米と一緒に煮て、その事実を知らない家族や隣人に分け与えるという大胆な決断をした。

それが必要であったにもかかわらず、ジブリルさんは彼らの反応を気にしていたという。「自分が馬を食べたことを誰も知らないのですから」

別の展開として、アントニー・ブリンケン米国務長官は、イスラエルによるガザ地区の再占領とパレスチナ領土の縮小に反対することを再確認した。

ブリンケン国務長官の発言は、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が提唱した戦後のガザに関する計画に応えたものであった。同計画は、ハマスが敗北すれば、自国の軍隊はガザ地区全域で活動する「無期限の自由」が得られるというものである。

「ガザをテロの拠点にしてはならない。イスラエルによるガザの再占領はあってはならない。ガザの領土は縮小されるべきではない」と、ブリンケン国務長官は、ブラジルで開催されたG20外相会議に出席後、ブエノスアイレスで述べた。

イスラエルの極右のベザレル・スモトリッチ財務大臣は、マアレ・アドゥンミームなどの入植地やヨルダン川西岸地区一帯に数千戸の新しい住宅を建設し、「断固とした安全保障上の対応と植民地化」を呼びかけた。

ブリンケン国務長官は、「新たな入植は、恒久的な平和を達成するためには逆効果であり、国際法にも反する」と述べた。

「アメリカ政府は入植の拡大に断固反対する。我々の判断では、これはイスラエルの安全保障を弱めるだけで、強化するものではない」

AFP

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