
ジャバリア(ガザ): ジャバリア難民キャンプでは、聖なるラマダン(断食月)の間、お腹を空かせたガザ住民がスープをもらおうと鍋を差し出す。
世界中のイスラム教徒が日没後の断食明けに伝統的なラマダン期間中の食事やデザートを食べるなか、ハマスとの戦争で5カ月以上にわたってイスラエルに砲撃され、包囲されたガザ地区の住民は、わずかな食べ物の切れ端や一口の水を見つけるだけでも幸運だ。
国連人権担当は火曜日、国連が受け取った報告書が、戦闘が終結しなければ5月までに飢饉が発生する可能性が高いことを明らかにしたことを受け、イスラエルによるガザへの人道支援制限は、戦争犯罪になりうる飢餓戦術に相当する可能性があると述べた。
「パレスチナの子どもたちには何の罪もなく、基本的な生活必需品を必要としている。こうしたことはすべて、包囲や家の破壊など、あらゆるもののせいです」と、ガザ北部のジャバリア難民キャンプに住むバッサム・アル・ヒロウさんは語った。
彼は人権団体に対し、パレスチナ人の “尊厳 “のため、そして一向に緩和される気配のないイスラエルの軍事作戦を終わらせ、包囲を終わらせる行動を起こすよう呼びかけた。
子どもたちは、おそらく数時間だけおなかを満たす食料を手に、混雑した救護所から歩き出す。
ガザの医療システムは基本的に崩壊していると、ここ数カ月の間にパレスチナの飛び地を訪れた欧米の医師たちは、国連で開かれたイベントで、イスラエルの攻撃による「ひどい残虐行為」について語った。
米国、英国、フランスの4人の医師は、イスラエルが昨年10月にガザで軍事攻撃を開始して以来、激動するガザの医療システムを支援するために、ガザのチームと協力している。
英国の慈善団体「パレスチナ人のための医療援助」で1月にガザに滞在した外科医ニック・メイナード氏は、顔の骨が見えるほどひどい火傷を負った子供を見たことを思い出した。
がん外科医であるメイナード氏は、ニューヨークの国連本部で開催されたイベントでこう語った。「その子が助かるチャンスはありませんでした。ですが、その苦しみを和らげるモルフィンさえありませんでした。その子はただ死ななければいけないだけでなく、苦しみながら死んだのです」
もう一人の7歳の子ども、ヒヤム・アブ・クデイルちゃんは、イスラエル軍の空爆によって父親と兄が死亡し、母親が負傷した後、全身の40パーセントに第3度の熱傷を負い、ガザ・ヨーロッパ病院に到着した。数週間待たされた後、彼女は治療のためにエジプトに移送されたが、2日後に死亡した、と 人道支援団体MedGlobalのクリティカルケア専門家、ザヘル・サールール氏は報告した。
国際的な専門家たちは、イスラエルの攻撃はジェノサイド(大量虐殺)にあたると警告している。
イスラエルは大量虐殺の非難を否定し、民間人ではなくハマスが標的だと主張している。イスラエルは、ハマスが民間人を人間の盾にしていると非難し、自国を防衛する権利があるとしている。
医師たちはまた、イスラエルがガザ南部の都市ラファへの侵攻計画を進めれば、多くの死者が出ると警告した。
「もしラファへの侵攻が行われれば、黙示録的な死者が出るだろう」とメイナード氏は言う。
ロイター