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結婚式のカメラマンから水を求める毎日: ガザの母親、失われた人生の夢を悼む

2024年5月22日、ガザ地区南部のハーン・ユーニスで水を汲むのを待つパレスチナ人。(ロイター)
2024年5月22日、ガザ地区南部のハーン・ユーニスで水を汲むのを待つパレスチナ人。(ロイター)
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24 May 2024 02:05:13 GMT9
24 May 2024 02:05:13 GMT9
  • 7児の母親は、イスラエルによる包囲が始まって8ヶ月目、生き延びるために奮闘する200万人以上のガザ住民の一人である。
  • 「私は結婚式で働くカメラマンでした。外に出て快適に暮らし、子供たちのために使うお金も苦労していませんでした」とアブドゥラティさんは語った。

ガザ地区、ハーン・ユーニス: ファラスティーン・アブドゥラティさんは、ガザ南部の瓦礫が散乱する路上で、乏しい飲料水を求めて毎日行列に並び、子どもたちの将来を案じながら、ウエディング・カメラマンとしての消え去った良き人生を嘆いている。

この7児の母親は、ハマスの国境を越えた攻撃によって始まったイスラエルの包囲と侵攻の8カ月目に、食料、飲料水、医療、安全な避難所を見つける困難にあえぎ、生き残るために奮闘している200万人以上のガザ住民の一人である。

「私は結婚式で働くカメラマンでした。外に出て快適に暮らし、子供たちのために使うお金も苦労していませんでした」35歳のアブドゥラティさんは、ハーン・ユーニスの街で、ボロボロになった樽から数個のバケツに苦労して水を入れながら言った。

「(私たちの生活は)最も原始的なものだけになりました。徒労と疲労。他には何もない。スタジオを開き、カメラを手に入れ、人々を幸せにするというウェディング・フォトグラファーとしての夢は失われてしまいました。私の夢は失われてしまった」

彼女は続けた「毎朝7時に起きて、もちろん最初に考えるのは水のことです。ここに来て、バケツ4杯に水を入れるためだけに、長い行列に並ぶのです。それ以外はなにもなく、ただ肩が痛くなる。運んでくれる男性もいない。私たちしかいないんです。最近は女性がやっています」

イスラエルによるこの小さな、都市化が進んだ沿岸の飛び地への攻撃は、230万人のパレスチナ人の4分の3以上を避難させ、インフラを破壊した。

「私が不眠不休で働いた子供たちの未来は失われてしまいました。(機能している)学校もなければ、教育もない。快適な生活はもうありません」とアブドゥラティさんは言った。

「安全もない」と彼女は付け加えた。イスラエルが、住宅密集地に立てこもるハマス過激派を標的にした砲撃や空襲の脅威を指している。

アブドゥラティさんは、胴まであるローブに身を包み、頭からスカーフをかぶった姿で、戦争の激変がガザの女性の生活をひっくり返したと語った。「女性も男性と同じです。男性と同じように懸命に働く。家で快適に過ごすことはもうできません」

彼女の夫は戦傷で入院している。

彼女は大きく息をつきながら、砂だらけの道をバケツを持って進み、薄汚れたセメントの階段を上って家族のアパートに入った。そこで彼女は、電気がないために暗い雑然とした狭い部屋で、幼い子供たちに見守られながら、間に合わせのストーブで水を温めた。

「国境が閉鎖されているため、ガスが無く苦しんでいるのです」と彼女は言った。イスラエルによる包囲のことで、ガザへの人道支援物資の輸送が厳しく制限されている。

「私が汲んだ水は配給制です。食器洗いや洗濯のほかに、子どもたちを洗うために温めるなければなりません。1日4杯のバケツでは足りません。何度も足を運ばなければならない」

ロイター

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